研究課題/領域番号 |
10044093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中嶋 敦 (1999) 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30217715)
茅 幸二 (1998) 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10004425)
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研究分担者 |
YANG DongーS. ケンタッキー大学(米國), 化学科, 助教授
SIMARD Bemoi カナダ國立研究所, 主任研究員
RAYNER David カナダ國立研究所, 主任研究員
HACKETT Pete カナダ國立研究所, 副理事長
中嶋 敦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30217715)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 有機金属クラスター / 電子スピン / レーザー蒸発 / 光電子分光法 / 遷移金属原子 / 一次元鎖状錯体 / 生成反応機構 / 高分解能電子分光 / 理論計算 / 遷移金属元素 / 希土類元素 |
研究概要 |
前年度の電子スピンの状態制御に関する知見に基づいて、(1)新しい有機金属クラスターの生成法として、有機金属錯体の蒸気と金属原子との反応を利用したクラスターの生成法の確立、(2)低電子スピン金属電子付着による有機金属クラスターの生成と電荷移動過程の検証、の2点について研究を進めた。また、金属クラスターの電子状態の知見をレーザー分光によって得るために、超高速フェムト秒レーザーを用いた実験を行った。 前年度の研究から、遷移金属原子が有機分子とクラスターを生成する際、その律速段階は、両反応物の合成電子スピンが低スピン化するより過程であることが分かっている。そこで低電子スピンの有機金属錯体を反応物の1つとして利用し、より効率的なクラスターの生成を行った。有機金属錯体として、最も一般的なフェロセン分子を取り上げ、そのターゲット材料化とそのレーザー蒸発法を確立させ、バナジウム遷移金属原子との反応によって、従来の方法では生成しない一次元鎖状錯体の生成に成功した。一方、低電子スピンの金属原子は容易に有機金属錯体を生成するとの観点から、アルカリ金属原子とフラーレン分子との有機金属錯体を生成させ、これらが極めて容易に錯形成することを見出すとともに、その有機金属錯体の電子状態を光電子分光法などの分光学的手法によって明らかにした。 平成11年度は、日本から3名がカナダNRCに滞在し、また、カナダNRCからは2名の研究員が来日して、共同研究を行った。具体的には、平成11年7月に中嶋がカナダを訪問し、超高速レーザー多光子イオン化法の実験を勧めた。またカナダNRCからは11年12月にハケット博士が来日して議論し、アルカリ金属原子とフラーレン分子との有機金属錯体に加えて、金とフラーレンとの錯体も対照実験して、研究すべきとの認識を得て、研究を進めた。12年1月にはカナダに慶應の1人の学生が行き、超高速レーザー多光子イオン化法の実験をさらに進め、さらに12年3月には慶應の1人の学生が行きしきい光電子分光法の技術を確立した。そして、12年3月にカナダNRCからレイナー博士が来日し、共同研究の成果の取りまとめを行った。
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