研究課題/領域番号 |
10044104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 名古屋大学 (1999) 岡崎国立共同研究機構 (1998) |
研究代表者 |
藤田 誠 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90209065)
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研究分担者 |
REINHOUDT Da トゥエンテ大学, 化学科, 教授
COLLIN Jeanー ルイバスツール大学, 化学科, 教授
KERN JeanーMa ルイバスツール大学, 化学科, 教授
DIETRICHーBUC クリスティア ルイバスツール大学, 化学科, 教授
SAUVAGE Jean ルイバスツール大学, 化学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | セルフアセンブリー / カテナン / テンプレート / パラジウム / エレクトロスプレー質量分析 / フェナントロリン / 内部連結構造 / キラリティー / 電気化学 |
研究概要 |
環状の化合物が化学結合によらずに、立体的要因から連結した内部連結構造をもつ分子はその特異な構造的興味のみならず、情報をつかさどる分子素子としての可能性が考えられている。そのような内部連結構造化合物の簡便・確実・定量的を達成することは非常に重要な課題であり、その方法は新しい物質構築手法となりうる。 その目的を達成するために、我々はCu(I)錯体を用いたテンプレート法とPd(II)錯体を用いたセルフアセンブリー法とを組み合わせて、新規の内部連結構造分子の合成を検討した。テンプレート法もセルフアセンブリー法もそれぞれ内部連結分子の構築手法として利用されるが、双方を組み合わせることで内部連結構造の構築手法の一般的な手法になりうると考えたからである。 その結果、Cu(I)錯体を用いたテンプレート法とPd(II)錯体を用いたアセンブリー法とを組み合わせ、新規の内部連結構造分子を合成することに成功した。この構造は二つの環が四ケ所で交差して連結した二重ロックカテナンであることがNMR、質量分析等の結果から明らかになった。組成はPd4Cu2L4であることが示された。この構造がキラルであることが誘起CDの観測等で明らかとなった。 さらにこの分子は電気化学的にも非常に興味深い性質を示した。電気化学的な性質を調べるとCu(I)の酸化電位が顕著に上昇した。また紫外光吸収に関しても吸収極大が赤方移動(Red Shift)を示した。これはカチオニックな性質を示すPd(II)金属が骨格の中に含まれるために、Cu(I)の電気化学的性質に影響を与えたことによるものである。
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