研究分担者 |
龍野 智哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60313011)
比村 治彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30311632)
小川 雄一 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
森川 惇二 (森川 淳二) 高温プラズマ研究センター, 助手 (70192375)
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
BRUNCELL P.K スウェーデン王立アルフベン研究所, 博士研究員
BRZOZOWSKI J スウェーデン王立アルフベン研究所, 博士研究員
DRAKE J.R. スウェーデン王立アルフベン研究所, 教授
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
超高βプラズマ閉じ込めによる先進的な核融合の可能性を探求しようという研究においては,プラズマ自身の,とくに自己場(プラズマ自身の電流によって作られる磁場,あるいは電荷によって作られる電場)のエネルギーが大きな領域での非線形挙動に関する深い知識が必要である.逆転磁場ピンチ(RFP)や極低q配位(ULQ)に代表される大電流プラズマの緩和状態の研究は,まさに自然なプラズマ状態はどのようなものであるかを解明しようとする試みであり,宇宙・天体プラズマをも含む広い視点から多くの成果を生み出している. 本研究では,RFP/ULQ配位の自己組織化を記述するTaylor緩和状態の枠を越えた,さらに一般的な視点から,プラズマの緩和状態を研究し,新たな緩和状態の可能性を示すと同時に,その応用について検討した.その主要な成果は以下のように纏められる. (1)流れをもつプラズマの自己組織化における運動論的な効果:非中性プラズマでは自己電場によって駆動される流れが,新たな緩和状態を自己組織化することを示した.この状態は,2つのTaylor緩和状態の線形結合として表すことができ,パラメータの変化に応じてカタストロフィーを起こす.これは,太陽コロナの加熱やフレアーを説明するモデルとなる. (2)荷電粒子のカオスの効果:プラズマを流体として表す巨視的モデルでは,プラズマ中の代表粒子の運動から平均的な物理量を計算する.しかし,電磁場の空間的非一様性が強いと,粒子の運動は非可積分(カオス)となり,個々の粒子の運動で集団運動の特性を代表することができなくなる.本研究では,粒子運動のカオスによって起こる無衝突エントロピー生産を磁場のヌル点における異常電気抵抗として計測し,理論との比較によって一致を得た.これは,自己組織化のプロセスで重要な「磁気再結合」を説明するモデルとなる. これらの研究成果によって,非中性化プラズマを用いた高速プラズマ流による超高β平衡,カオスの効果を応用する粒子トラップや高性能プラズマ源など,プラズマの非線形効果を応用する新たな技術の可能性が示された.
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