研究課題/領域番号 |
10044166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
友清 芳二 九州大学, 工学研究科, 教授 (40037891)
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研究分担者 |
安田 和弘 九州大学, 工学研究科, 助手 (80253491)
渡辺 万三志 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10304734)
松村 晶 九州大学, 工学研究科, 教授 (60150520)
ZUO JianーMin アリゾナ州大学, 物理学科, 研究員
MAYER Joachi マックスプランク研究所, 金属研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | イメージングフィルター / エネルギーフィルター / 非弾性散乱電子 / 元素マッピング / 電子分光結像 / 電子分光回折 / 電子エネルギー分光 / 電子顕微鏡 / 収束電子回折 / 非弾性散乱 |
研究概要 |
目的:透過電子のエネルギーを分光、選択して拡大像や回折図形を得る目的でイメージングフィルターが最近開発された。しかし、これを利用した電子分光回折法あるいは電子分光結像法はまだ確立されたものではなく、発展途上にあり、種々の解決すべき問題がある。世界で最初にオメガ型フィルター(カールツァイッス社製)が導入されたドイツのマックスプランク研究所およびアリゾナ州立大学、日本で最初にオメガ型国産試作機(JEM-2010FEF)が導入された九大の研究者が共同で基礎データの収集や問題点の整理に取り組んだ。 結果:通常の透過電子顕微鏡像や電子回折図形には試料内部での電子の非弾性散乱成分も含まれており、試料が厚くなるほどバックグラウンド強度が強くなるためコントラストは低下する。さらに色収差のために像や回折図形は不鮮明になる。一方、非弾性散乱電子は試料中の成分元素の種類、原子やイオンの結合状態等に関する情報を含んでいる。フィルターを使って電子の非弾性散乱成分を除去すると、 (1)厚さ450nmのSi結晶で、ビーム直径を2〜3nmに絞っても明瞭な収束電子回折図形が得られ、講師歪みを定量的に解析できた。(2)制限視野電子回折の微弱な回折スポットの観察に有効であることが確認された。(3)電子分光結像により、像コントラストと鮮明さが改善され、通常の方法に比べて1.5倍厚い試料が観察可能であることが解った。内殻電子励起に伴う損失電子で結像したところ、(4)Si表面にできる厚さ約5nmの酸化膜が明瞭に観察でき、軽元素の2次元マッピングが有効であることが確かめられた。(5)Caをドープした窒化硅素Si3N4焼結体でCa組成像を観察した結果、Caが結晶粒界にごく薄く偏析していることがはじめて確認された。
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