研究概要 |
光アクチュエータ技術に関する研究,水流体の流れ解析研究,空気圧システムの特性解析および駆動システム制御に関する研究を基盤にして,耐電磁ノイズ干渉性,防爆性に優れ,かつ動作環境に優しい環境融和型光応用駆動システムの基礎的開発を行う事を目的として,以下の研究を実施した。 (1)システムの概念設計:環境融和型光応用流体駆動システムの最適なシステム構成およびそれを実現するための要素技術の在り方を明確にするため,日伊共同でシステム概念設計を行った。また,この概念設計に基づき空気圧駆動システムと水圧駆動システムの基礎的設計を実施した。 (2)光・機械インターフェース:光パワーを機械パワーに変換する新原理のインターフェース(PLZT 光アクチュエータ)を試作し,その諸特性を実験的に評価し,当該システムへの適用可能性を日伊共同で検討した。 (3)流体解析:水圧駆動システムの実現に不可欠な,粘弾性管路を流れる水を対象とした圧力・流量特性および制御弁中の微小な局所流れに関して,数値シミュレーション解析を行い,水圧要素の開発に必要な基礎的資料を取りまとめた。また,水および作動油という異なる作動媒体を用いた駆動システムについて,各システムの動作性能の違いを数値シミュレーションにより明確にした。 (4)環境融和型光応用駆動システム:フィードバックループを有する光・空気圧駆動系を試作し,その特性を実験的に明らかにした。また,実用性の面から問題点を抽出した。 本研究で提案したシステムは,環境融和性に富んだシステムとして極めて有効であることが明らかとなった。また,実際に開発する上での研究開発課題も提示した。
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