研究課題/領域番号 |
10044205
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安部 琢哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (00045030)
|
研究分担者 |
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50235892)
山村 則男 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (70124815)
東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183917)
ANDERSEN Ala CSIRO(オーストラリア科学産業研究機構), 主任研究員
HOLT John CSIRO(オーストラリア科学産業研究機構), 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | 窒素経済 / シロアリ / メタン生産 / ライソザイム / オーストラリア / サバンナ / 窒素循環 / シロアリ-微生物共生系 / 捕食者 |
研究概要 |
シロアリが窒素をほんのわずかしか含まない植物遺体を食べて生き永らえられるのはなぜか?そしてそのことは生態系に何をもたらすのか。これに答えるために、シロアリ塚の野外調査が容易なオーストラリアのサバンナにおける野外研究と、室内の化学分析研究をドッキングさせた共同研究を行った。シロアリと食物の安定同位体比を測定することによって、シロアリの窒素固定能(実際には共生バクテリアによる)を調べたところ、サバンナに生息する高等シロアリでは、温帯に広く分布する下等シロアリほど高くないこと、つまり彼らは窒素源を主に植物遺体に依存していることを明らかにした。 ついで、食物である植物遺体に含まれる窒素を濃縮する能力の一つとして、シロアリによるメタン生成能を調べ、これが土を食べるシロアリで特に高いことを明らかにした。土を食べるシロアリには他のシロアリとともに、消化管に多数のバクテリアが共生しており、そのバクテリアを食べて主要な窒素源にしている可能性が考えられた。そこでシロアリの消化管におけるライソザイム(バクテリアの細胞壁を壊す酵素)の活性を調べたところ、シロアリがその活性をもっており、バクテリアをを窒素源とする可能性の高いことが示された。この消化管内共生バクテリアの主要な餌源はまだ分からないが、シロアリの窒素動態の新しい側面が見えつつある。 このような研究と合わせて、サバンナにおけるシロアリの塚の分布、それを食べるアリの分布、塚の中における微生物の現存量と活性、シロアリによる塚の形成がまわりの植生に及ぼす影響などについての調査を行うことにより、シロアリの生態系機能の解明を試みた。
|