研究課題/領域番号 |
10044224
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
有吉 範高 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00243957)
高橋 芳樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80292019)
中山 佳都夫 (山中 佳都夫) 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20261323)
UJJIN Pailin チュラロンコン大学, 臨床検査医学部, 部長
藤田 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60281820)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | トリメチルアミン / FMO / 遺伝的多型 / 遺伝病 / 遺伝子治療 / 異種細胞発現系 / ヒトゲノム / 遺伝子解析 / ノックアウトマウス / クローニング / 代謝欠損 / 発現系 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
ヒト肝ミクロゾームを用いてトリメチルアミンN-酸化酵素活性を検討した。熱処理およびFMOの阻害薬によって、トリメチルアミンN-酸化酵素活性が阻害されたことより、ヒトの肝臓でトリメチルアミンN-酸化がFMO1よって触媒されることが示唆された。そこで、ヒトにおいてトリメチルアミンのN-酸化酵素活性を担うFMO分子種を同定するために、ヒトFMO1、FMO3およびFMO5を大腸菌にそれぞれ発現させ、酵素活性を検討した。大腸菌において発現させた酵素を用いて、トリメチルアミンN-酸化酵素活性について解析した。3つの分子種の中でトリメチルアミンのN-酸化を触媒するのはFMO1とFMO3であり、FMO5はこの活性を有しないことが明らかとなった。さらに、速度論的解析によってFMO1とFMO3のトリメチルアミンのN-酸化能を比較したところ、トリメチルアミンへの親和性、N-酸化酵素活性ともにFMO3の方が高く、N-酸化能はFMO3がFMO1の約355倍高いことが明らかとなった。このことから、3つの分子種のうち、トリメチルアミンN-酸化に最も大きく寄与しているのはFMO3であることが示唆された。続いて、体臭症状を訴えている魚臭症候群と疑われるタイ人のFMO3遺伝子の塩基配刻を解析した。2検体からこれまでに報告されていないアミノ酸置換を伴う変異G265Aがヘテロ接合体で検出された。したがって、この変異がFMO3の酵素活性に影響を及ぼしている可能性が考えられた。そこで、この変異を有するFMO3 Cdnaをサルモネラ菌に導入して発現させた変異型FMO3と野生型FMO3の酸化酵素活性を比較検討した。魚臭症候群の原因物質であるトリメチルアミンのN-酸化酵素活性は変異型FMO3では野生型FMO3の約20%であった。したがって、この変異はFMO3の酵素活性を低下させる変異であることが明らかになった。
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