研究課題/領域番号 |
10044232
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (1999-2001) 山形大学 (1998) |
研究代表者 |
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
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研究分担者 |
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
中村 真人 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90301803)
坂本 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10101875)
野川 雅道 山形大学, 工学部, 助手 (40292445)
NIX Christop アーヘン総合大学, ヘルムホルツ研究所, 助手
REUL Helmut アーヘン総合大学, ヘルムホルツ研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 電気機械駆動全置換型人工心臓 / 電気機械駆動補助人工心臓 / 心臓移植 / 連続流人工心臓 / 遠心血液ポンプ / 生体適合性 / 耐久性 / 体積補償装置 / 全置換型人工心臓 / 補助人工心臓 / Ti-6Al-7Nbチタン合金 / ポリウレタン3尖弁 / 流れの可視化 / 拍動流補助人工心臓 / 連続流補助人工心臓 / ポンプ効率 / モータ駆動拍動流VAD / モータ駆動拍動流TAH / 連続流VAD / 遠心ポンプ / ポリウレタン製3尖弁 / 血液適合性 |
研究概要 |
この研究において、ドイツアーヘン総合大学ヘルムホルツ研究所のReul教授グループと共同研究を行うことを基盤に、体内完全埋め込み式全置換型(TAH)及び補助人工心臓(VAD)の研究開発を行った。人工心臓は、電気エネルギーを経皮伝送装置で体内に伝送し、体内に埋め込まれた電気機械式人工心臓を駆動する仕組みである。体内には、人工心臓の他に、血液ポンプ内で起こる体積変化を補償するコンプライアンスチェンバー、制御駆動装置と充電式2次電池が埋め込まれる。駆動装置は、小型のDCモータの回転運動をローラネジの直線運動に変換し、血液ポンプを拍出する仕組みである。TAHは、左右の血液ポンプの間に駆動装置をサンドイッチ状に挟み込む方式とし、モータの回転方向を制御して、左右交互に拍出する方式である。血液ポンプは制御性を考慮し、プッシャ-プレート型(1回拍出量55cc)とし、ホール素子を用いて、プレートの動きをモニターし、Fill-to-Empty方式で駆動できるようにした。駆動装置のモーターの回転制御は、コミュテーションとプッシャ-プレート位置信号を基に、回転スピード、方向等の制御を行った。 開発したTAH及びVADのサイズは、TAHが直径90mm、厚さ70,mm、体積400cc、重量450gであった。VADは直径が90mm、厚さ56mm、体積275cc、重量460gであった。これらのサイズは、現在臨床応用されているTAHやVADに比べ小型化されており、体重50〜60kgの成人に埋め込み可能なサイズである。小型化されたが、TAH、VAD共に最高流量8L/minが得られ、1回拍出量は約55ccであった。TAHにおいて、4〜8L/minの流量を得るために必用な電力は10〜15ワットで、VADの場合5〜8ワットであった。TAHの電気から流体仕事率への最高変換効率は13.5%で、VADは23%であった。体内完全埋め込みに必用な体積補償装置の設計試作も行い、模擬循環回路を用い評価した。TAH用の体積褒賞装置は、空気充填量が55ccに対して、VADの場合は75ccを設計・作製した。また、充電式2次電池の人工心臓運転における性能についても評価した。NiMHとLi-ion電池の2種類を用い、後負荷100mmHgに対して、4〜5L/minの流量を拍出する条件下で試験した結果、約2時間の駆動が可能あることが証明された。仔牛によるInVivo評価を開始した。 拍動流ポンプの開発と並行して、連続流人工心臓の設計・評価も行った。試作した人工心臓は3点支持遠心ポンプで、磁気カップリングでインペラ-を回転させて流量を得る仕組みである。外部センサを使用せず、モータ電流波形解析に基づき、吸い付き現象や逆流を検知し、防止する方法について検討した。3点支持部での摩擦による磨耗を軽減し、長期耐久性を目指し、1点支持遠心ポンプの可能性を検討し、設計を開始した。 人工心臓を埋め込まれた患者のモニタリングとして、ポンプ内血液のヘモグロビン量や酸素飽和度が計測できる反射型光センサの開発を行い、牛血を用い評価し、良好な結果を得た。長期信頼性を動物実験で評価する必要がある。 国際共同研究を通して、スタッフや学生の交流、国際集会の召集等得るところは大であった。特に、学生の交換交流は、研究・教育のみならず、視野を広め、将来的な人材育成に大いに貢献できるものと信じる。
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