研究課題/領域番号 |
10044238
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 隆 千葉大学, 医学研究科, 教授 (50205655)
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研究分担者 |
大野 博司 金沢大学, がん研究所, 教授 (50233226)
荒瀬 尚 千葉大学, 医学研究科, 助手 (10261900)
MALISSEN Ber ルミニー免疫センター, 仏, センター長
BONIFACINO J NIH, NICHD・米国, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1999年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | チロシンモチーフ / リンパ球活性化 / 細胞内蛋白誘導 / AP複合体 / CDζ鎖 / CTLA-4 / ITAM / μ鎖 / CD3ζ鎖 / m鎖 / T細胞抗原レセプター / CD3複合体 / ノックアウトマウス / シグナル伝達 / アダプター複合体 / 細胞内蛋白輸送 / クラスリン被膜小胞 / チロシンシグナル |
研究概要 |
免疫系の抗原受容体を介するシグナル伝達系は、これに会合するCD3分子、Igα/β分子に存在する活性化チロシンモチーフがチロシンリン酸化され、そこにZAP-70/Sykが会合して活性化される。一方、チロシンモチーフYxxφは、蛋白輸送に必要なAP複合体と会合することが判明した。両者のチロシンシグナルは類似しており、オーバーラップすると考えられる。我々は、生体内における、このようなチロシンシグナルの役割を、シグナル伝達と蛋白輸送との両者で解析した。 CTLA-4と会合する分子としてAP-2複合体のμ2鎖を同定した。一つのチロシンモチーフがチロシンリン酸化によって、シグナル伝達系とエンドサイトーシスの両システムで働くことが判明した。チロシンモチーフの変異CTLA-4分子の機能を解析し、CTLA-4を介する抑制は、チロシンモチーフ非依存的であり、これまで考えられてきたチロシンモチーフに会合するSHP-2を介していないと考えられる。 チロシンモチーフに会合するμ鎖では、エンドサイトーシスを担うAP-2のμ2、TGN/リソソーム輸送を担うAP-1のμ1、が知られていたが、今回、新たに3種類のμ鎖(μ1B,μ3B,μ4)を発見した。μ1Bは上皮組織特異的に発現し、細胞の極性を持った蛋白輸送に関与する。二種のμ3の内のμ3Bは神経系特異的に発現し、神経系独自な蛋白輸送系の存在を示唆する。これらの新規遺伝子の欠損マウスを作製中である。 TCR活性化シグナルは、CD3分子のITAMのリン酸化によって開始される。アンタゴニストペプチドによる刺激ではCD3ζ鎖の部分的なリン酸化のみが起こり、活性化制御に重要と考えられてきた。今回、ITAMのチロシンに変異をもつCD3ζ鎖Tgをζ鎖欠損マウスに導入したマウスにおけるT細胞分化と機能の詳細な解析から、ζ鎖のITAMが活性化されなくても、ほとんどのT細胞機能には質的な影響にないことが判明した。
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