研究課題/領域番号 |
10044243
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
楠原 洋之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00302612)
加藤 将夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30251440)
鈴木 浩史 (鈴木 洋史) 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
MULLER Micha グローニンゲン大学, 病院・消化器肝臓部門, 研究員
MELER J Pete チューリッヒ大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | トランスポーター / 体内動態 / 肝胆系輸送 / 個人差 / 種差 / 遺伝子発現系 / 異物解毒機構 / 胆汁排泄 / 異物解毒 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
肝臓に発現しているトランスポーターの発遺伝子現系の構築と機能解析、ならびに多剤耐性との関連について、いくつかの研究成果が得られた。我々はDr、Meierらと協力し、非ステロイド抗炎症薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤について有機アニオントランスポーター(oatp)と胆汁酸トランスポーター(Ntcp)の肝取りこみ過程に占める寄与率を明らかにした。また、胆管側膜有機アニオントランスポーター(cMOAT)の機能を種々の動物およびヒト肝臓より調整した胆管側膜ベシクルにて解析し、葉酸誘導体やある種の低分子ペプチド性化合物が基質であることを明らかにするとともに、cMOATの輸送機能に明確な個人差や種差があることを明らかにした。極性細胞を用いたcMOAT発現系の構築にも成功した。これらの研究を通じて得られた情報は、今後医薬品の体内動態とりわけ膜透過過程における他の医薬品との薬物間相互作用を考える上で重要であると考えられる。胆管側膜における能動的な胆汁排泄はある種の抗癌剤の消化管毒性と関係していることが示唆されており、これらの情報は副作用軽減のためにも重要な知見であると考える。多剤耐性についても、耐性克服剤であるSDZPSC833を用いて検討した。SDZPSC833が内因性化合物の胆汁排泄に及ぼす効果を検討するとともに、体内動態特性の異なる抗癌剤の胆汁排泄あるいは尿中排泄など消失過程に及ぼす効果も検討した。現在Piet Borstより供与を受けた多剤耐性ヒトトランスポーター発現系での機能解析も行っている。更にcMOATを欠損しているmutantラットの肝臓から、cMOATと類似したトランスポーター(MRP3)の単離と遺伝子発現系を用いた機能解析に成功した。MRP3発現細胞では一部の抗癌剤に対して耐性を示すことも報告されており、MRP3に関する情報は癌細胞も含めた生体内での異物解毒機構を理解する上で重要であると考えられる。
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