研究課題/領域番号 |
10044244
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清木 元治 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10154634)
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研究分担者 |
伊藤 義文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70292852)
岡田 明子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00233320)
トンプソン エリク ビンセント医科学研究所, 室長
ゴールドパーグ グリコリ ワシントン大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | マトリックスメタロプロテアーゼ / 膜型酵素 / がんの湿潤・転移 / MT1-MMP / 細胞外基質分解酵素 / MMP / MT-1-MMP / ゼラチナーゼA / がんの浸潤・転移 |
研究概要 |
1)湿潤性メラノーマ細胞をフィブロネクチンでコートしたゼラチンゲルの上におくと、接着面に対して突起を伸ばす。我々はMT1-MMPがこの湿潤性突起に局在することを観察して既に報告している。MT1-MMPの湿潤性突起への局在の仕組みを解析するために、MT1-MMPの細胞外ドメインをGFPに置き換えたキメラを作成して、メラノーマ細胞に発現させた。GFP/MT1はプラスチックデイッシュ上では細胞全体に分散していたが、ゼラチン・フィブロネクチン上では細胞・基質接着面で垂直方向に棒状に局在することが観察された。また、同様の実験系で湿潤突起を観察すると、突起構造はアクチン束の局在と一致し、その周辺で細胞外基質の分解像が観察された。一方で、非浸潤性のCHO細胞は湿潤突起を形成せず、よく発達したアクチン・ストレスファイバーを形成して細胞外基質に接着する。MT1-MMPをトランスフェクションにより強制発現すると、アクチン・ストレスファイバーに沿った分解像が観察された。この結果から、MT1-MMPはアクチンと相互作用があり、湿潤突起形成の際にもアクチン束形成に伴ってそこに局在すると考えられる。 2)MT1-MMPはゼラチナーゼAの活性化酵素である可能性を生化学的解析と組織学的な解析によってこれまでに示している。MT1-MMPが確かにゼラチナーゼAの活性化因子であることを証明するために、マウスゲノム遺伝子の第1エクソンから第4エクソンまでを相同組換えによってLacZ,Neo遺伝子に置き換えたマウスを作成した。正常マウスの胎児期にはMT1-MMPの高発現とゼラチナーゼAの活性化が見られる。MT1-MMPの発現を欠くマウスではゼラチナーゼAの活性化が起らなかった。この事から、少なくともMT1-MMPが組織レベルで働くゼラチナーゼAの生理的な活性化因子であることは証明された。
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