研究課題/領域番号 |
10044247
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 熊本大学 (2000) 東京医科歯科大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
田賀 哲也 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (40192629)
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研究分担者 |
信久 幾夫 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手
中島 欽一 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (80302892)
オースチン G.スミス エジンバラ大学, ゲノム研究センター, 所長
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | サイトカイン / 細胞分化 / シグナル伝達 / 神経幹細胞 / 造血幹細胞 / 転写因子 / BMP2 / LIF / AGM領域 / gp130 / 分化 / アストロサイト / STAT3 / 胚性幹細胞 / ES細胞 |
研究概要 |
胚性幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞などの幹細胞から各細胞系譜への分化、ならびに幹細胞が多分化能を保持したまま増殖する自己複製の過程は、種々の細胞内外のシグナルにより制御されている。本研究はこのように組織の形成と維持において重要な役割を果たす幹細胞制御機構について、主としてサイトカインのシグナルに焦点をあてて海外共同研究者とともに取り組んだ。(1)神経幹細胞を多く含むことが知られている胎生14.5日のマウス終脳の神経上皮細胞初代培養系にBMP2を添加するとMAP2陽性ニューロンの出現が抑制され逆にアストロサイトの系譜にある細胞マーカーS100-beta陽性細胞が増加した。この系にLIFをさらに添加すると成熟アストロサイトマーカーGFAP陽性細胞が出現した。BMP2は神経上皮細胞でnegative helix-loop-helix(HLH)蛋白Hes5,Id1,Id3の発現誘導を導いた。BMP2がnegative HLH蛋白の発現を介してニューロン分化に必要なbasic HLH型転写因子の作用を阻害することで、ニューロンへの細胞系譜に向かうことが運命付けられつつある細胞をアストロサイトの細胞系譜に向かわせ、そこにさらにLIFが加わるとシグナルのクロストロークによりアストロサイトに成熟すると考察される。(2)胎生期のマウス造血幹細胞の発生や分化を制御するシグナル分子を探索したところ、2266個のアミノ酸からなり核移行配列を有する新規分子ELYSのcDNAを単離することができた。この分子の卵黄嚢での発現は胎生9日に高く、以降減少した。胎生11日では大動脈の内皮で、また13日に肝臓、16日に胸腺と脾臓で強い発現が見られ、胎生期の造血組織の移行に相関する発現様式をとっていることからELYSが造血に重要な機能を果たしていることが示唆された。
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