研究課題/領域番号 |
10044258
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 静岡大学 (1999) 岐阜大学 (1998) |
研究代表者 |
植松 俊彦 静岡大学, 医学部, 文部教官教授 (50151832)
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研究分担者 |
松野 浩之 静岡大学, 医学部, 助手 (40273148)
丹羽 雅之 静岡大学, 医学部, 講師 (40156146)
小澤 修 静岡大学, 医学部, 助教授 (90225417)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 薬害 / 服薬歴 / 毛髪分析 / オフロキサシン / フレカイニド / フランカルボン酸 / 糖化蛋白質 / フロシン / 薬害予防 / 疾病経過 / フルクトースリジン / モルヒネ / コデイン / ブプレノルフィン / 母集団薬物動態 |
研究概要 |
本研究は、米国側ユタ大学ヒト中毒センターと日本側岐阜大学医学部薬理学との間で国際学術研究として昨年度に開始し、本年が2年目(最終年度)である。植松が主宰する日本毛髪分析研究会の第2、3回学術集会を昨年度、本年度ともに6月に大津にて開催し、いずれもユタ大学Rollins教授を招聘して特別講演をもつと共に相互の情報交換・研究経過報告・共同研究方針設定・確認を行った。昨年度、本年度ともに日本側からも米国へ出張し、情報交換と研究のまとめを行った。米国側では抗菌薬オフロキサシンを毛髪中タイムマーカーとして使用し薬毒物摂取の正確な日時を特定する方法論の検討を行った。人種の坩堝であり種々の毛髪特性を有する人たちを対象としても、オフロキサシンがタイムマーカーとしての役割を果たすことができることを、多くのボランティアを用いたヒト試験と種々の毛髪を持つ頭皮を移植したヌードマウスでの動物実験において明らかとすることができた。日本側では坑不整脈薬フレカイニドの毛髪分析を行い、その用量依存性やメラニン色素の重要性、毛髪成長方向の薬物濃度分布が服薬歴を示すことを証明した。薬物治療の際の重要な因子で、薬害が表れやすい腎機能障害の程度と期間を知る方法として毛髪中の尿毒症性物質を測定することを試みた。フランカルボン酸のGC/MSによる微量測定法を開発し、血液中、毛髪中、汗中の同物質濃度を測定し、同物質は腎機能障害と共に血液中に蓄積してくるが、汗から毛髪に付着するため腎機能の指標とはならないことが示された。毛髪中糖化アミノ酸フルクトースリジン(FL)を加水分解によりフロシンに変えてLC/MS/MSで微量測定する方法を確立し、同物質が糖尿病の指標になるか検討したところ、FLの毛髪中濃度が血中糖化ヘモグロビン濃度と良く相関し、糖尿病患者の疾病経過およびその治療による病態の変化を毛髪一本から解読することが可能であった。
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