研究課題/領域番号 |
10044265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北島 健 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (80192558)
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研究分担者 |
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 日本学術振興会, 特別研究員PD
松田 幹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
COLLEY Karen イリノイ大学, 医学部, 助教授
TROY Frederi カリフォルニア大学, 医学部, 教授
LENNARZ Will ニューヨーク州立大学, 生化学細胞生物学部門, 教授
井上 康男 台湾中央研究院, 生物化学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | ポリシアル酸 / オリゴシアル酸 / KDN / 硫酸化糖鎖 / 受精 / がん細胞表面糖鎖 / シアル酸の代謝 / 糖脂質ミクロドメイン / 神経細胞接着分子 |
研究概要 |
細胞間相互作用の素過程において、細胞表面の複合糖質糖鎖が果たす制御的役割は重要であり、我々はこれら機能性糖鎖による細胞間相互作用制御の分子機構の解明と、その人為的制御を目指している。 1.脳・神経系におけるオリゴ・ポリシアル酸鎖の形成機構の解明とその制御:(1)哺乳動物胎児および成体脳においてこの糖鎖構造をもつ糖タンパク質が数種類存在することを新たに発見した。これらの糖鎖の役割と神経活動との関係に興味がもたれる;(2)ポリ・オリゴシアル酸の機能を探る道具として、十数種類の抗体を作製した。また、微量検出のための蛍光標識法の開発を行った。 2.受精におけるKDN糖鎖、硫酸化シアロ糖鎖を介する配偶子間相互作用:(1)ウニ精子から糖脂質に富む界面活性剤不溶性膜画分を調製し、特定の脂質および受容体タンパク質、シグナル伝達分子が局在すること、また卵への結合単位として精子-卵接着を媒介することを明らかにした;(2)魚卵からポリシアル酸伸長に関与すると推定される3種類のcDNAクローンを得た;(3)ニワトリ卵膜のシアロ糖タンパク質のcDNAクローニングおよび生合成部位を決定した。 3.がん細胞系におけるポリシアル酸鎖、KDN糖鎖の役割:(1)KDN糖鎖が、胎仔期の肺形成過程に一時的に発現され、肺がん細胞に再び出現するがん胎児性抗原であることを明らかにした;(2)動物細胞の培地にManを添加すると細胞内KDN濃度が高まることを見いだし、遊離KDNレベルが高い場合、細胞内Man代謝の異変を伴う可能性が示唆された;(3)KDNの生合成に関与する酵素として、CMP-KDN合成酵素のクローニングに成功した。哺乳類の酵素では、KDNに対する反応性が著しく低く、このことが正常細胞におけるKDN発現量の低さの一因であると考えられた。
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