研究課題/領域番号 |
10044266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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研究分担者 |
高岸 芳子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50024659)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
BOYETT Mark リーズ大学, 生理学, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 洞房結節 / イオンチャネル / 活動電位 / ギャップ結合 / ペースメーカー機能 / 電気生理学 / 免疫組織化学 / コンピュータシミュレーション / 筋小胞体 / 迷走神経 |
研究概要 |
洞房結節ぺースメーカー細胞特性の多様性と結節内部位差を明らかにするため、ウサギを用いた電気生理学実験と免疫組織・細胞化学実験を行い、その結果に基づいた活動電位シミュレーションモデルを構築して、洞房結節細胞多様性の生理学的意義を検討した。1.細胞膜イオンチャネル:(1)活動電位の持続時間は結節辺縁部に比べて中心の細胞で長いこと、(2)それが主に4-aminopyridine感受性持続電流(I_<sus>)と活性化の早い遅延整流K電流(I_<kr>)発現の部位差に起因することが判明した。(3)免疫染色では、結節中心部の細胞ではI_<sus>チャネルを構成すると推測されるKv1.5発現量が少なく発現様式も辺縁部細胞と異なっていた。2.ギャップ結合蛋白:(1)洞房結節中心の細胞ではCx45とCx40が発現していること、(2)分界稜心内膜側の洞房結節辺縁部の細胞ではCx45とCx43の両者が発現しており、心房筋への興奮伝播経路を形成すると考えられる。3.筋小胞体機能:筋小胞体Ca放出チャネル阻害剤を用いた電気生理学的検討と抗体を用いた免疫染色や分子生物学的検討から、筋小胞体からのCa放出は結節中心の細胞のぺースメーカー機能には殆ど寄与しないが、辺縁部の細胞のぺースメーカー機能には重要な役割を果たすことが判明した。4.迷走神経刺激:洞房結節領域の迷走神経節後終末を電気刺激すると、ぺースメーカー中心の位置が結節中心部から辺縁部に移り複雑に移動した。このぺ一スメーカー移動は細胞特性の結節内部位差を反映する現象と考えられる。5.シミュレーションモデル:イオン電流か解析の結果に基づいて洞房結節中心及び辺縁部細胞の活動電モデルを構築した。活動電位波形の特徴やイオン電流阻害に対する反応は動物実験の結果とよく一致した。このモデルは洞房結節における細胞電気特性の多様性や結節内部位差の生理学的意義の検討に有用である。
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