研究課題/領域番号 |
10044269
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴崎 浩 京都大学, 医学研究科, 教授 (30037444)
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研究分担者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90212761)
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (10231490)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90181297)
ハレット マーク 米国国立衛生研究所, 部長
ナイト ロバート 米国カリフォルニア大学, デービス検・医学部, 教授
バロン ジァンクロード フランスシセロンセンター, 所長
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 随意運動 / 感覚運動連関 / 無侵襲的研究 / 事象関連機能MR / 脳電位 / 脳磁図 / 補足運動野 / ポジトロン断層撮影 / 機能的MR画像 / 高次脳機能 |
研究概要 |
各種の非侵襲的脳機能検索方法を有する世界的にすぐれた研究施設と共同研究を行うと同時に、各分野で独自の研究を進めてきた。 (1)磁気共鳴機能画像(fMRI)、ポジトロン断層法(PET)による研究 陰性ミオクローヌスと呼ばれる突然の筋収縮の停止(脱力)の機序を解明する目的で、随意的筋収縮を急に止める時に大脳皮質関連領域がどのような関連性を持って機能しているのかについて、特に事象関連fMRIを用いて単一試行での解析も行い、空間的および時間的変化を検討した。その結果、筋脱力に先行して一次感覚運動野と補足運動野での脳血流の増加が明らかとなり、しかも筋収縮の場合と比較して補足運動野においてより有意な増加が示唆された。これは陰性運動現象における内側前頭部のより積極的な関与を支持するものと考えられた痛覚受容刺激に関して、レーザー刺激装置により皮膚に直接触ることなく痛覚刺激を与え、痛覚受容に関するfMRIを用いて研究を進め、二次感覚野と帯状回の関与を明らかにした。脳磁図計測および皮質脳波計測による研究も進め一次運動野にも潜時約200ミリ秒で明瞭に記録された。 (2)全頭型脳磁場計測装置を用いた研究 感覚入力の(動機的)意義づけによって感覚領野での反応の違いが生じるかどうかは、感覚運動連関機序を解明する上で最も重要な課題の一つである。電気刺激体性感覚誘発脳磁場と脳電位の同時記録により、一次体性感覚野における感覚知覚に関する情報処理が時間的に脳溝部の3野から脳冠部の1、2野へと伝播することを明らかにした。また、感覚刺激に対しての注意の影響を、体性感覚電気刺激強度の強弱に対する注意課題や、選択的聴覚注意課題で行い、既に一次感覚野反応に増強が認められた。低頻度提示刺激の認知は、両側の上側頭葉、頭頂葉下部、側頭葉内側の計6ケ所に発生原があった。視運動統合課題、では頭頂葉前下部が後頭葉からの脳活動伝播に重要な役割を果たした。 (3)感覚運動連関に関する脳電図および硬膜下電極の記録 健常者の選択課題によるCNVの脳電図記録と、てんかん患者での硬膜下電極記録を当施設にて行った。てんかん患者で慢性に留置された硬膜下電極からの記録では、随意的な手指の持続的筋収縮に伴なって、皮質脳波と表面筋電図の活動において17Hz前後を最大としたコヒーレンスを見い出すことができ、それは収縮する筋に対応する一次運動感覚野に限局していた。また固有補足運動野と一次運動感覚野間のコヒーレンスの経時的変化を一過性の相性(phasic)筋収縮随意運動課題において検討し、後者より前者においてコヒーレンスの出現がより早期より出現した。
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