研究分担者 |
秦野 修 奈良医科大学, 講師 (40164850)
竹森 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90273672)
ESTABROOK Ro テキサス大学, 生化学部, 教授
KAGAWA Norio ヴァンダービルト大学, 生化学部, 助教授
WATERMAN Mic ヴァンダービルト大学, 生化学部, 教授
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研究概要 |
本研究においては,日米両グループで新たに見出されたステロイドホルモン産生組織の発生と分化を制御していると思われる因子であるZOGとPbx-1の役割を中心に,各遺伝子の構造と発現制御領域の解析,ステロイド産生活性を持つ培養細胞におけるこれらの遺伝子の発現とステロイド産生活性との関連を明らかにし副腎皮質と生殖腺の発生と分化の分子機構を解明することを目的とした。まずラットの胎生期におけるZOGの発現は副腎・生殖腺共通原基の細胞集団で既に見られ,その発現細胞は妊娠の進行と共に次第に副腎皮質の被膜付近の細胞層,つまり球状層に限局することを明らかにした(Molecular Steroidogenesis,p.197-200,2000)。次にZOG遺伝子のプロモーター領域を解析しこの遺伝子の特異的な発現を制御する転写因子を探索したところ,転写開始点より上流-50bp付近のEgr/GC-boxに結合するSp1/Egr以外の未知の転写活性化因子が重要であることを示唆するデータを得た(Molecular Steroidogenesis,p.209-212,2000)。また未分化な副腎皮質の培養細胞株H295R細胞のステロイド産生酵素遺伝子の発現調節に細胞増殖因子EGFとFGFが重要であることを明らかにした(Molecular Steroidogenesis,p.277-278,2000)。以上の共同研究においては転写因子ベクターの作成と培養細胞株の樹立をアメリカ側で主に行い,ステロイド産生活性の測定と免疫組織化学的研究を主に日本側で行った。
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