研究課題/領域番号 |
10044285
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 義美 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60093514)
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研究分担者 |
的崎 尚 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252782)
中西 宏之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80314318)
佐々木 卓也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40241278)
白瀧 博通 Graduate School of Medicine, Osaka University Assistant Professor (Present/Dokkyo University School of Medicine, Professor) (90249962)
田中 一馬 Graduate School of Medicine, Osaka University Associate Professor (Present/Hokkaido University, Professor) (60188290)
NOVIEK Peter エール大学, 医学部, 教授
HALL Alan ロンドン大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 低分子量G蛋白質 / Rho / Rab / Rab3A / Rabphilin-3A / Rabphilin-11 / BNI1 / Frabin / BNT1 / RabGD1 / SHP-2 / SPA2 / mDia / ROCK |
研究概要 |
現在、低分子量G蛋白質は、種々の重要な細胞機能を制御していることが明らかになっており、その活性化機構と作用機構を分子レベルで解明することが、医学・生物学領域において重要な課題となっている。本研究において、私共は、RabとRho低分子量G蛋白質の活性化機構と作用機構について解析を行い、以下の成果を得た。 1.Rab3Aの活性化機構:Rab3Aの活性制御蛋白質Rab3 GEPとRab3 GAP、Rab GDIが、Rab3Aの活性制御を介して神経伝達物質の放出を制御していることを明らかにした。特に、Rab GDIについては、神経特異的に発現するアイソフォームRab GDIαのノックアウトマウスを作製し、このマウスの解析から、Rab GDIαは、Rab3Aを不活性型に維持し、Rab3Aによるシナプス小胞輸送の過度の促進を抑制して神経の過度の興奮を抑える作用を有することを明らかにした。 2.Rab3AおよびRab11の作用機構:ヤリイカの巨大シナプスの系により、Rab3Aの標的蛋白質Rabphilin-3Aが神経伝達物質の放出を制御していることを明らかにした。また、Rab11の標的蛋白質であるRabphilin-11を見い出し、Rab11-Rabphilin-11系が小胞のリサイクリングの制御を介して細胞運動に関与することを示した。 3.Rhoの活性化機構:Rhoが時間的・空間的にOn/Offとなり、ストレスファイバーや接着斑の形成を介して細胞運動を制御していることを明らかにした。さらに、チロシンホスファターゼSHP-2が、Rhoの活性化を制御し、細胞運動の制御に関与していることを明らかにした。また、Cdc42の活性制御蛋白質FrabinとCdc42を介する系が細胞運動の最も上流に位置する可能性を示した。 4.Rhoの作用機構:動物細胞において、出芽酵母のRhoの標的蛋白質BNI1のカウンターパートであるmDiaと今一つのRhoの標的蛋白質であるROCKの機能を検討し、Rhoによるアクチン細胞骨格の再編成には、両者の協調的な作用が重要であることを明らかにした。 海外研究分担者との共同研究という形で論文は発表できなかったが、彼等との研究打ち合わせや直接の研究技術指導により、本研究は、2年間の研究期間において上記のように予想以上に進展し、当初の目的はほぼ達成できた。
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