研究課題/領域番号 |
10044312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 主任研究官 (50132882)
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80254308)
ビーネンストック ジョン マクマスター大学, 健康科学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | アレルギー / マスト細胞 / ブラジキニン / 共焦点レーザー顕微鏡 / カルシウムイオン / NK-1 アンタゴニスト / サブスタンス P / 神経細胞 / サブスタンスP / 好塩基球 / 共焦点レーザ顕微鏡 / アンタゴニスト |
研究概要 |
免疫系と神経系のクロストークを追求するために、アレルギー反応に関与するマスト細胞と神経節初代培養細胞との共存培養系の確立をまず行った。両者の細胞を神経成長因子(NGF)の存在下で数日間培養すると、神経節から神経突起が伸長し、伸長した神経突起はマスト細胞と特異的に接着し、シナプス様の構造を形成した。そこで、共存培養系に神経細胞を特異的に活性化するブラジキニンやサソリ毒を添加して、共焦点レーザ顕微鏡で両細胞の細胞内カルシウムイオン濃度の変化を解析した。その結果、活性化に伴って神経細胞の細胞内カルシウムイオンの濃度が上昇すると、数秒のlag-timeの後に、マスト細胞の細胞内カルシウムイオン濃度が上昇し、両者の細胞間に相互作用が存在していることが分かった。ブラジキニンやサソリ毒をマスト細胞に単独で加えただけではカルシウムイオン濃度上昇は起こらないので、上記で観測したマスト細胞のカルシウムイオン濃度上昇は、神経細胞の活性化にともない神経細胞から遊離した液性因子がマスト細胞を活性化していると推察した。また、抗体やNk-1受容体のアンタゴニストを使った実験から、その液性因子は神経ペプチド一種であるサブスタンスPであることも明らかにした。一方、マスト細胞を抗原で刺激すると、マスト細胞の活性化の後に、神経細胞のカルシウムイオン濃度上昇を誘導する逆方向のシグナルの観測できた。これらの実験結果は、免疫系と神経系とのクロストークの存在を実験的に示した世界で最初の研究成果であり、その研究成果は免疫学、神経生物学の基礎研究の発展に大きく寄与するだけてなく、情緒障害等の種々の精神病についてもその要因を臨床医学的に解明して行く際に重大な寄与をなすものと考えられた。
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