研究課題/領域番号 |
10044330
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
菅原 基晃 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60010914)
菅 弘之 岡山大学, 医学部, 教授 (90014117)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
SPEAN Jos A. アムステルダム大学, 医用物理, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 冠微小循環 / 血流調節 / 心内膜側 / メカニカルストレス / 心筋虚血 / 分子血流トレーサ / 血管反応 / 冠微少循環 |
研究概要 |
冠微小循環における情報伝達分子を介した力学・代謝性循環調節機構を検討した。ニードル型生体顕微鏡、臓器潅流システムを用いて任意の潅流圧と血流量で冠循環を潅流して心筋内微小循環の挙動を評価した結果、冠細動脈の拍動圧振幅依存性の血管拡張反応をin vivoで確認し、潅流圧低下時に心内膜側細動脈の拡張を助ける新たな調節系の存在が明らかになった。冠動脈圧低下時の冠細動脈拡張反応の情報伝達分子について、内皮由来過分極因子は主に小細動脈、一酸化窒素(NO)は大細動脈の血管拡張に関与し、さらにアデノシン、二酸化炭素が階層的代償要因として階層性調節機能を有することが示された。 力学・代謝性冠循環調節機構の時間的側面については、冠潅流が低下すると拡張期時間が相対的に延長して冠潅流にとって有利に作用するなど、心筋-冠循環の動的な連関が冠微小循環の調節機構に深く関与することが示された。さらに、冠循環への力学的入力が心-血管系干渉の影響を受けることから、心-血管系干渉の指標であるWave Intensityを解析した結果、同指標が冠循環に対する潅流圧や心筋内圧などの力学作用の評価法として利用できる可能性が示唆された。力学・代謝性冠循環調節機構の空間的側面については、分子トレーサを用いた検討から、β1遮断が心内膜側における冠微小循環の不均一性を軽減することが明らかになった。 冠循環異常の予防・治療面では、NO供与体(外因性NO)による血流(ずり応力)依存性NO産生(内因性NO)への影響について、血流による力学条件を摘出血管に再現して検討した結果、外因性NOが内因性NO産生に抑制的に働くこと、NO合成酵素の補酵素(tetrahydrobiopterin)が、この抑制を軽減しうること、NO以外の情報伝達機構にギャップジャンクションが重要であることが示された。
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