研究課題/領域番号 |
10044331
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
河野 公俊 産業医科大学, 医学部, 教授 (00153479)
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研究分担者 |
和泉 弘人 産業医科大学, 医学部, 助手 (50289576)
野本 実 産業医科大学, 医学部, 講師 (00164749)
FUNA Keiko ゲーテブルグ大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | MDR1 / CCAAT / YB-1 / p53 / NF-Y / c-Myc / HMG1 / CTF / NF1 / c-myc / PCNA |
研究概要 |
平成11年度、河野および鮒博士の直接討議を北九州で行った。薬剤耐性の観点からMDR1遺伝子の発現に着目し、その発現調節を検討した。 MDR1遺伝子のプロモーター領域にはCCAATモチーフがあり、このモチーフに結合する転写因子YB-1と会合する因子の同定を北九州で、転写因子NF-Yと会合する因子の同定をスウェーデンで行った。YB-1と会合する因子としてPCNAを既に報告している。今回、YB-1と会合する他の因子として新たにp53が明らかになった。現在、YB-1とp53に会合部位と、p53によるYB-1を介したMDR1遺伝子の発現調節を検討している。スウェーデンではNF-Yと会合する因子として、c-Mycを同定しその結合部位および転写調節機構の解明を行った。また、NF-Yはp53とも会合しており、その会合部位および転写調節機構を現在スウェーデンにて検討中である。 一方、薬剤ストレス応答によって発現が亢進する遺伝子のうち、HMG1およびSTAT3に着目して解析した。その結果、HMG1遺伝子の発現はプロモーター領域に結合する転写因子CTF/NF1によって調節されていることが示唆された。また、HMG1はp53と会合すること、およびシスプラチンによる損傷DNAを認識することを観察し、この認識能力はp53によって増大することも観察した。STAT3遺伝子の発現亢進はクロマチン構造の変化に伴う転写の亢進が関与していることが示唆される結果を得た。今後、薬剤ストレス応答によって発現が亢進する遺伝子へのなかでも特に障害DNA認識蛋白や障害DNA修復蛋白に焦点を絞って、その耐性獲得へのメカニズムを解明し、遺伝子治療の標的分子となる因子の同定を来年度も進めていきたい。
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