研究課題/領域番号 |
10044335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター) |
研究代表者 |
口野 嘉幸 国立がんセンター, 研究所・生物物理部, 部長 (60124418)
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研究分担者 |
村松 知成 国立がんセンター, 研究所・生物物理部, 室長 (70212256)
KLAUS Heckmann Univ.of Munster, Inst.of Zoology, 教授
HIKDBERG Beier Univ, of Wurzburg・ Inst・of Biochemic, 助教授
HECKMANN Klaus Univ. of Munster, Inst. of Zoology, Professor
BEIER Hildberg Univ. of Wurzburg, Inst. for Biochemie, Assoc. Prof.
BEIER Hildbe Univ.of Munster, Inst.of Zoology, 助教授
HECKMANN Kla Univ.of Munster, Inst.of Zoology, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ペプチド鎖解離因子 / 遺伝暗号 / 翻訳終止コドン / 繊毛虫 / Tetramena / Euplotes / 翻訳終止コドン異常使用 / ポリペプチド鎖終結因子 / tRNA合成酵素 / テトラヒメナ / グルタミンtRNA / システインtRNA |
研究概要 |
蛋白質合成の終結や未成熟ポリペブチド鎖の解離はリボソーム上のアミノアシルサイト(A)への翻訳終止コドンの出現に呼応して起きる現象である。このポリペブチド鎖終結反応は2種類のポリペブチド鎖解離因子(RFs)とGTPによって触媒されている。ポリペブチド鎖解離因子の一つであるclass-I RFsは翻訳終止コドンの認識に、class-II RFsはGTPの水解にそれぞれ関与している。これまでは真核生物のRF1(eRF1)は三つの翻訳終止コドンを認識しうる全能のポリペブチド鎖解離因子であると考えられていた。しかしわれわれが明らかにしたように、繊毛虫はその進化の過程において他の真核生物と異なり翻訳終止コドンをセンスコドンとして使用するようになった。例えばTetrahymenaやParameciumなどの繊毛虫ではUAGやUAAコドンがグルタミンのコドンとして読まれ、UGAコドンのみが翻訳終止コドンとして使用されている。またEuplotesのような繊毛虫ではUGAかシステインと解読され、UAAが主な終止コドンとして使用され、UAGがまれに翻訳終止コドンとして使用されている。このようなことから翻訳終止コドンの認識において他の真核生物と異なった性質を示す繊毛虫のホリペブチド鎖解離因子の構造と機能を詳細に調べれることは真核生物における蛋白質合成終結の分子機構だけではなく、生物進化における遺伝暗号の変化の原因を知る上で非常に重要であると思われる。そこでわれわれ姑繊毛虫のボリペプチド鎖解離因子と他の頁核生物のものとの構造の違いを知るためにTetrahymenaおよびEuplotesの大核DNAからPCR法を用いてそれぞれのeRF1遺伝子の単離を試みた。その結果Tetrahymenaから一種類の、Euplotesから2種類のeRF1遺伝子を単離することに成功した。えられた遺伝子の構造を解析する-とともに、そこから導きだされるアミノ酸配列をすでに発表されている他の真核生物のeRF1、とくに結晶構造が解析されているヒトのeRF1のコドン認識領域におけるアミノ酸配列と比較することによって繊毛虫でのeRF1のコドン認識における変化の実態を検索した。これらの研究から初めて繊毛虫における翻訳終止コドンの異常使用の原因を明らかにすることができた。
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