研究課題/領域番号 |
10044337
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
宮田 敏行 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (90183970)
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研究分担者 |
日根 智恵美 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (10280819)
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (40270730)
加藤 久雄 国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (80029959)
LENTS Steven アイオワ大学, 医学部, 助教授
SADLER J.Eva ワシントン大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血栓症 / ホモシステイン / 小胞体ストレス / 遺伝子 / 血管内皮細胞 / 細胞傷害 / 分化 / リゾホスファチジルコリン / 酸化LDL / 小胞体 / 腎 |
研究概要 |
本研究は、血管内皮細胞刺激物質として知られるホモシステインの細胞傷害機構を、分子生物学および生化学の手法を用いて、日米の研究者が協力して共同で明らかにすることを目的とする。我々は、これまでに、ヒト血管内皮細胞をホモシステインで刺激することにより新しく発現誘導される新規遺伝子、RTPおよびHerp、を同定した。本研究では、両遺伝子を大腸菌で発現させて組み換え蛋白質をつくり、これを用いて特異抗体を作成した。抗RTP抗体を用いて細胞内RTPを調べたところ、RTPは2次元電気泳動で複数のスポットを示すリン酸化蛋白質で細胞質に存在することが判明した。このリン酸化はプロテインキナーゼAが触媒した。また、RTPは細胞の増殖時に高発現しており、特に増殖時はリン酸化型が多く発現していた。マウスの組織を調べると、RTPはあまねく発現していたが特に腎に高発現を認めた。腎の近位尿細管に強く発現し、遠位尿細管や糸球体は発現していなかった。一方、Herpは細胞内の小胞体に存在することが特異抗体を用いた実験で明らかとなった。次にヒトHerp遺伝子を単離した。ヒトHerp遺伝子は8つのエクソンから成り、12kb以上の大きさであった。また、第1エクソンの上流に、小胞体ストレス蛋白質に共通してみられる転写因子結合エレメントが存在した。ヒトHerpの遺伝子座位は16q13であった。また、マウスHerp遺伝子を単離し、遺伝子欠失動物の作成のためのベクターを構築した。我々は、ホモシステイン誘導遺伝子RTPと相同性を有する新規遺伝子のESTシークエンスを見いだした。そこで、この新規遺伝子は、352残基から成る新規蛋白質(RTP2と仮に命名)をコードしていた。RTP2は、RTPと約60%の配列相同性を示すが、普遍的に分布するRTPと対照的に、脳と心臓にきわめて特異的に発現していた。神経細胞での発現は、分化に伴って発現量が増加する傾向がみられた。
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