研究概要 |
アジア通貨危機以降,世界経済の混乱は続いている。アジアがつまずく一方,アメリカ経済が好調で,ヨーロッパでは統一通貨ユーロが始動しはじめた。1998年4月の第2回ASEMでは,英国が提案した「アジア信託基金」の設立が決定した。こうした時代背景のもと,ヨーロッパとアジアの経済リンクの総合研究はスタートした。ヨーロッパとアジアの経済リンクを分析するには,そのデータを整備する必要があると考え,まず,貿易・投資のデータを整備することからはじめた。これまでのところ,VNデータを47産業に分類し直し,アジアとヨーロッパ間の1980年以降のバイラテラル貿易(輸出額,輸入額)が利用可能な状態となっている。投資データについてもOECDのデータをもとに整備した。今後これらをもとにモデル分析していく予定になっている。プラマーが担当する関税,非関税貿易のデータについてはGTAPプロジェクトのものなどから,これも徐々に集りつつある。アメリカがヨーロッパとTEP(transatlantic Economic Partnership)をスタートさせて,世界がグローバルリンクを深めていく中で,アジアとヨーロッパのリンクについての研究をすすめることになる。阿部が平成10年10月に京都大学に異動したことに伴い,研究が廃止となり,現在データを整備した段階でストップしている。
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