研究課題/領域番号 |
10045021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
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研究分担者 |
笠原 稔 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40001846)
太田 幸雄 (大田 幸雄) 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
串田 圭司 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90291236)
勝俣 啓 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (10261281)
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
小池 孝良 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (10270919)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 北方森林火災 / 永久凍土 / 二酸化炭素 / エアロゾル / メタンガス / 活動層 / 笑気ガス / アークテイックヘイズ / 温暖化ガス / リモートセンシング / アルベード / 水文環境 / タイガ / 森林火災 / 温暖化効果ガス / 温暖化 / 地下水 / 酸素同位体 |
研究概要 |
1)北方森林火災が永久凍土とその水文特性に与える影響について フェアバンクス郊外にある長期生態観測地域(Caribou Poker Creek Researc Watershed)において、アラスカ側共同研究者(Terry Chapin)を代表とするNSF研究プログラムに参画し、人工森林燃焼実験によって、永久凍土の融解促進とその影響による水文環境変動を観測した。その結果、森林火災による表層有機層の損失の度合いに応じて、その後の凍土の融解が影響を受けることが分かった。現地で測定した、有機層の熱伝導率と有機層の厚さの逆数との積を指標とする値で、火災後の融解の進行が決定されることが確認できた。また、火災実験中に、凍土層内の温度上昇を直接測定し、部分的に高い昇温が測定できた。これは熱伝導によるのではなく、融解水の地下浸透に起因している。これらの測定結果から、森林火災による永久凍土の融解とそれに付随する地下水浸透の変動を予測するモデルを確立するデータが得られた。 2)北方森林火災が森林機能に与える影響の調査・研究 人工火災施用林分の再生過程を、主に「炭」の有無と菌根菌の発達程度に着目して植物生理生態学的な研究を目標として、現地調査を実施した。このための予備試験として、北海道内とアラスカとの比較を行った。アラスカで優先するマリアナトウヒに類似した生活型を示す、アカエゾマツの成長を超塩基土壌と酸性土壌でも調査し、グラウカトウヒに類似したエゾマツと比較した。その結果、アカエゾマツの環境適応能力の高さが明らかになった。また、貧栄養の火山灰や酸性土壌では、菌根菌との共生関係が必要であることが明らかになった。また、光合成産物の18-25%が菌類によって消費されることから、生育環境と関連した解析(日向か日陰か、貧栄養か富栄養かなど)を進める必要がある。 フェアバンクス郊外のポーカーフラットとアラスカ北端のバロー岬において、15日間毎の大気エアロゾルの連続サンプリングとその成分分析を行った。これまでの結果では、バローにおいて冬-春季において黒色純炭素、有機物、硫酸成分および鉛、砒素、バナジウム等の人為起源成分の濃度が増加しており、アークテイックヘイズの発生を裏付けている。一方ポーカーフラットでは人為起源の成分濃度変化が見られず、むしろ夏季に森林火災により炭素成分濃度の極度の増大が認められた。
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