配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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研究概要 |
ヒマラヤの形成過程についてはすでにいくつかの研究プロジェクトが進行しているため,本研究ではむしろヒマラヤの形成がこの地域の環境形成に及ぼした影響に注目して以下のようなテーマに絞り込んで研究を進めた. 1.ヒマラヤ形成に関わる環境変化と淡水貝類の時空分布 中期中新世以降の淡水貝類相の変遷が明らかになった.その中で5Ma以降に旧北区型の小型淡水貝が急増する事実を説明するために,ヒマラヤ上昇が引き起こしたアジアモンスーンの成立によってキャリヤーとしての水鳥の渡りが活発になった,という仮説を示した. 2.シワリク層中のヒマラヤ上昇に関する堆積学的イベント抽出 堆積相と粒度組成からシワリク層堆積時の古流速復元法を確立し,それに基づいて層準ごとの流速変化を具体的な数値として示すことができた. 3.ポカラ盆地の水環境調査 フェワ湖を例にして水質特性と栄養塩の流入負荷について調査を行った.その結果,ポカラ盆地の地質を反映して流入河川の多くは中流部で伏流しており,それが湖の水質維持に大きく関わっていることがわかった. 4.シワリク丘陵の地質構造と地盤災害調査 西ネパールのチョル・コーラでみられる斜面変動について詳しい調査を行った.その結果,ここではトップリングした岩体が2方向に活動しており,それはシワリク層の急傾斜した構造と急速な河刻作用に起因していることがわかった. ヒマラヤ研究所については具体的な設立計画を詰めるまでに至らなかったが,この国際協力研究の成果を基礎に,さらに各方面での協議を進めていくことにした.
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