研究分担者 |
岡田 耕三 岡山大学, 理学部, 助教授 (70194355)
原田 勳 (原田 勲) 岡山大学, 理学部, 教授 (10030785)
圓山 裕 岡山大学, 理学部, 助教授 (20181836)
HLILーEL Kebi グルノーブル大学, 理学部, 助教授
RAOUX Denis CNRS結晶学研究所, 所長教授
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
研究概要 |
1.高輝度放射光を用いた実験的研究 SPring-8においてダイヤモンド移相子を用いた円偏光変調法によるX線磁気円二色性(XMCD)を確立した.これによって従来のデータに較べて高精度のスペクトルが得られるようになった.研究期間中に扱った物質と目的は,Fe酸化物フェリ磁性体の磁気状態とサイト同定,Mn炭化物ペロブスカイトの磁気相転移に関する温度及び磁場依存性の測定,CeSbのメタ磁性転移の観測,Ho_3Fe_5O_<12>におけるキュリー温度近傍の高温領域での測定などである. 2.放射光共同実験 第3世代放射光のSPring-8とESRFを相互に利用して共同実験を行った.平成10年10月にESRFにて,磁性多層膜Ce/Fe,CeLa/Feの共鳴磁気散乱実験を,平成11年2月にSPring-8にて,Ce/Fe,CeH/FeにおけるXMCDの温度依存性の測定を実施した.層間あるいは層内の磁気構造に関する情報が得られた. 3.スピン電子状態に関する理論的研究 3d-4f化合物磁性体における希土類L_<2.3>-吸収端XMCDの理論的説明の定式化を行った.4f-5d原子内交換相互作用と5d波動関数の収縮効果の他に,3d-5d原子間交換相互作用を取り入れて実験スペクトルを再現した.様々の物質における固体効果をスペクトル計算にどの様に取り入れるか検討が進んでいる.また,ハバード模型に対して共鳴内殻発光スペクトルの数値計算を行い,電子相関効果を調べた. 4.放射光実験装置の開発 SPring-8に最高磁場10Tの超伝導マグネットを設置し,高磁場かつ低温でのXMCDスペクトル測定に成功した.ダイヤモンド・アンビル・セルを用いた高圧下や電気炉を用いた高温でも実験を行った. 5.研究者の交流 岡山大学とグルノーブル大学(フランス科学院結晶学研究所)の間で,研究期間中に延べ12名(派遣6名,招聘6名)の研究者の交流を実施した.共同実験や研究討論を始め研究成果の発表や情報交換などの研究交流の機会を持った.また,両大学の大学院生の間でも交流の機会が得られた.
|