研究分担者 |
浅野 潔 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (90026774)
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60271011)
曽根 良夫 (曾根 良夫) 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (80025923)
GOLSE Franco パリ第7大学, 数学科, 教授
BARDOS Claud パリ第7大学, 数学科, 教授
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
1.日本側は,仏側の協力のもとで,有限マッハ数の弱希薄気流を一般的に記述する漸近理論(流体力学的方程式とその境界条件,および境界近傍におけるクヌーセン層補正)をボルツマン方程式の系統的漸近解析によって構築する研究を完成させた.この理論は,その一部として,流体力学における粘性境界層方程式の,ボルツマン方程式からの系統的導出を含んでいる,この成果は,仏側の境界層方程式に対する数学的研究に反映された. 2.日仏が協力して,多体粒子系(リュービル方程式)から流体力学方程式(オイラー方程式系)を直接導出する研究を行った.日仏側でそれぞれ異なる方法でこの問題に取り組み,形式的導出には既に成功している.また,日本側は,多体粒子系からのボルツマン方程式の形式的導出を再考察し,これを系統的かつ明解な形に整理して仏側に提供した.これにより,ボルツマン方程式の導出に対する新しい数学的証明の可能性が開かれた. 3.日本側は,仏側と協力して境界温度の不連続によって生じる希薄気体の流れを数値解析によって調べ,その挙動を広範囲の希薄度に対して明らかにした.この流れでは,気体分子の速度分布関数の不連続が境界から気体中へ伝播する.その数学的研究の第一歩として,日仏が協力し,不連続の伝播に関してボルツマン方程式と類似の性質を持つが構造がはるかに簡単な線形輸送方程式をもとに,媒質中への不連続の伝播を厳密に解析した. 4.日本側は,流体力学方程式を含む一般の保存方程式の運動論的解法に関する系統的理論を構築し,仏側に提供した.また,日本側は仏側の協力により,数値解析・形式的漸近解析によって既に得ていた蒸発・凝縮を伴う界面における流体力学的方程式の境界条件を,数学的に厳密に評価することに成功した. 5.日本側は,多成分混合気体における「幽霊効果」を表す方程式系を仏側に提供し,その数学的性質を検討した.
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