配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
歯科修復を目的として,銀スズ合金と銀インジウム合金の微細粒子をフィラーとするメタル・レジンコンポジット材料を試作し,試作材料の機械的性質(たわみ強さと曲げ弾性係数),生物学的性質(細胞毒性と抗菌性),化学的性質(耐食性)ならびに耐磨耗性を評価した。その結果,試作したコンポジット材料のたわみ強さは,銀スズ合金フィラーでは最大91.8MPa,銀スズ合金フィラーでは最大91.0MPaに達した。これらの材料を水中に長期間浸漬した場合やサーマルサイクリングを行った場合でも強さは減少するが,その減少程度は現在市販されている臼歯用コンポジットレジンと余り変わらなかった。また,その強さは従来のコンポジットレジンと余り変わらないものの,現在市販されている臼歯用コンポジットレジンには及ばなかった。したがって,本材料については今後強さの向上が必要と考えられる。試作したメタル・レジンコンポジットの細胞毒性は硬化後1ヶ月未満では歯科用アマルガムと同程度もしくは低めであった。抗菌性は硬化前の時点で認められたが,硬化後は消失した。耐食性は電気化学的試験と腐食溶液浸漬試験によって評価したが,試作材料は電気伝導性がほとんどなく,電気化学的にはかなり安定であった。腐食溶液浸漬試験においては,アマルガムは大きな変色を示したのに対し,試作材料のうち銀インジウムをフィラーとするコンポジットはやや変色したものの,その変色程度はアマルガムより小さく,銀スズをフィラーとするコンポジットではさらに小さかった。。磨耗試験では,試作材料のレジンマトリックス部における摩耗が認められたが,フィラー粒子の多くは研磨時の表面状態を維持して試料表面に存在しており,耐磨耗性は比較的良好であった。
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