配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
以下の課題について国際共同研究を行った. 1. 機能性製剤素材の探索 癌中性子捕捉療法用ガドリニウム微粒子キャリアーとして用いるために,キトサンと疎水性添加剤の混合粉砕を行った.探索した添加剤の中で,特にステアリン酸が微粒子化に有効であり,1.8μmの微粒子の調製に成功した.同様にキトサンと疎水性のDTPAステアリルアミド(DTPA-SA)の混合粉砕を行ったところ,2.0μmの微粒子を得た.その他,生体内崩壊性マイクロカプセル用膜剤としてレシチン混合物を,また,温度応答性放出制御製剤用膜剤としてN-isopropylacrylamide殻を有する複合ラテツクスを開発した. 2. 機能性微粒子製剤の調製 新規乾式複合化法によるエチルセルロースマイクロカプセル,非常にシャープな応答を示す温度応答性放出制御マイクロカプセル,保存時には非溶出性で投与後は徐放性を示すReady-made型経口徐放性懸燭剤,動脈注射用の生体内崩壊性レシチンマイクロカプセルを開発した.また,中性子捕捉用製剤としてGd-DTPA-SA含有脂質ナノエマルション,顕著に水溶性のGd-DTPAを強く結合したキトサンナノ粒子を新規に開発した. 3. 製剤特性のキャラクタリゼーション 薬物をイオン交換樹脂の微粒子に保持させることにより数%の被覆量で薬物放出を強く抑制するようになるマイクロカプセルの調製に成功し,Ready-made型経口徐放性懸濁剤の可能性を開いた,また,ナノエマルションの腹腔内または静脈内注射による体内動態を検討し,腫瘍内濃度を189ppmにまで高めることができた.さらに,開発したキトサンナノ粒子は,腫瘍内投与によるin vivo中性子捕捉療法において著しい腫瘍成長抑制効果を示すこと,その表面が正電荷を有することから細胞付着性を有し,エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれることを示した.
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