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浮世絵研究の一層の発展のためには、存在が確認されているすべての浮世絵にアクセスできる、高画質のデジタル画像と文書からなる画像データ・ベースが必要となる。浮世絵データ・ベースは作品をデジタル・フォーマットで含むだけではなく、各作品についての解説、背景となる資料をもテキスト・ベースで含まなければならない。それ以外にも、ユーザが視覚的、幾何学的、また、 (少なくとも限られた)意味的特性を特定して作品を探すのに応じて、特定された画像を検索する能力も備えるべきだと考える。視覚的、幾何学的な画像の特徴に対する処理能力が、さまざまな画像処理技術がすでに利用できることを前提としているのに対し、画像に含まれる意味的内容の処理能力はデータ・ベースシステムがパターン認識という作業を行なえることを意味している。作品中に描写された内容についての検索能力は、さまざまな画像データ・ベースシステムですでに実現されている。そういった例のほとんどは、色、テクスチャーのような、比較的低レベルの画像特徴を利用して、画像データ・ベースから画像を探し出す。本研究では、対象クラスというさらに複雑な概念を、画像に含まれる内容について検索のための基盤であると仮定する。このような浮世絵画像検索システムを実現するために、本年も様々な研究を行なった。その中の三つのテーマに集中し、 「画像データベースシステムの管理システムおよびユーザ・インタフェース」、画像内容検索を効率よく行なえるために必要な「浮世絵における注意点の抽出」、そして、 「ニューラル・ネットワークを用いた対象クラスの検索」の研究を行なった。
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