研究課題/領域番号 |
10114104
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
中 則夫 大阪学院大学, 国際学部, 講師 (70278555)
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研究分担者 |
宮田 Susanne 愛知淑徳短期大学, コミュニケーション学科, 助教授 (40239413)
寺尾 康 常葉学園短期大学, 教養教育, 助教授 (70197789)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 第一言語習得 / 日本語の語彙発達 / 名詞型と動詞型 / 言語入力 / 色彩語彙 / CHILDES / JCHAT / 自然発話データ / 心内辞書 |
研究概要 |
本年度は、次の調査を行った。 (1) 昨年度の初期語彙の発達における個人差パターン(名詞主導と動詞主導型)の追加調査 (2) (1)の発達速度のばらつきの追加調査、その原因と思われる言語入力の影響の調査 (3) 心的辞書形成における色彩語のカテゴリー化の問題の調査 以下、その概要を報告する。 (1) 自然発話データを用いた初期語彙発達の観察を、4被験児に増やし品詞別の語彙産出を追試した。その結果、やはり名詞主導型と動詞主導型の傾向は依然として観察された。特に、極端なケースの他、その中間ケースも観察され、単純な二分法では分類しにくい傾向があり、品詞頻度の分類だけでは方法に限界が判明。 (2) 別の4被験児の初期語彙では、動詞より名詞のほうが多かったが、言語入力の性質を調べた結果、認知的なメカニズムに加えて、母親のインプットも名詞優位の原因の一つとみられる。特に、母親の発話の名詞の数の増加、こどもにとって名詞が知覚しやすい位置に現れること、名詞の平均形態素数が動詞より低いことなどが、名詞の認識を容易にすると考えられる。 (3) 色彩語彙名称の獲得過程について1被験児の観察を行った結果、(i)他のカテゴリーに属とは独立に、色彩語彙がそれ自体カテゴリーを形成している。(ii)親から子への会話では、対比的方法での導入が多く観察された。幼児の方も、2歳前から色彩名を事物名に代用する形で対比的に用いる例が観察された。
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