• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ことばの学習メカニズムについての発達的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10114217
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関青山学院大学

研究代表者

針生 悦子  青山学院大学, 文学部, 助教授 (70276004)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード語意学習 / 相互排他性 / 形状類似バイアス / 機能的共通性 / 語の階層構造 / 3歳児
研究概要

近年の研究で,幼い子どもは,少数の原理にしたがって,効率よく語の意味を推論していると考えられるようになった。このような原理の1つに,相互排他性原理がある。この原理は,1つの事物には1つのカテゴリー名しか認めないというもので,効率よく語意が学べるよう子どもを導く一方で,その適用が制約されなければ,「犬」 「動物」のように階層関係にある語の学習を困難にする。本研究は,子どもの中で,この原理の適用が,どのようにコントロールされているのか,そのメカニズムを探ることを目的とした。
その結果,まず第一に,子どもが新しい語を語彙辞書に取り入れるさい相互排他性原理を適用するか否かは,事物間の形状類似性の影響下に或ることが明らかになった。すなわち,既に自分がある名前で呼んでいた事物に新しい名称が導入されたら,子どもは,その新しい名称と既知の名前とがどのような意味関係にあるかを決めなければならない。相互排他性原理によるなら,新たに名づけられた事物は,既知の名前の指示範囲(カテゴリー)から排除するということになる。が,子どもはいつでもそうするわけでなく,命名対象と既知カテゴリーの典型との形状類似性が高いときには,相互排他性原理を乗り越え,新しい名称と既知の名前とのあいだに階層構造を形成するのである。
もっとも,形が似ていれば機能も多く共有されることを考えると,階層構造の形成にきいているのはどちらの要因なのか,この結果だけでは決められない。そこで,両要因を分離して検討した結果,形状類似性の方が一次的な要因であるらしいことが見いだされた。以上,相互排他性原理の適用は,少なくとも子どもが3歳になるまでに,形状類似バイアスとの相互作用の中でうまくコントロールされるようになっており,これにより階層関係にある語の学習も早くからなされていることが明らかにされた。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Haryu,Etsuko: "Effects of knowledge about cross-language equiralents on childrens use of mutual exclusivity in interpreting novel words." Japanese Psychological Research. 40. 82-91 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 針生悦子: "語の階層構造の形成を促す要因についての検討・形状類似性vs.機能の共通性" 文部省科研費特定領域研究「心の発達」平成10年度研究成果報告書. 206-211 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 針生悦子: "言語獲得" 児童心理学の進歩1999年版. (印刷中)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 針生悦子・今井むつみ: "階層語の獲得を支える相互排他性原理と形状類似バイアスの相互作用" 日本教育心理学会第40回総会発表論文集. 32 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Haryu,E.& Imai,M.: "Controlling the application of the mutual exclusivity assumption in the acquisition of lexical hierarchies." Japanese Psychological Research. (in press)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 今井むつみ・針生悦子: "ことばの学習を制約する原理と原理の適用を支えるメタメカニズム" 日本認知科学会第15回大会発表論文集. 34-35 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Imai,M.& Haryu,E.: "Word learning without aid from syntax:How do Japanese children learn proper nouns and common nouns?" Proceedings of the 23rd Annual Boston University Conference on Language Development. (in press)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

URL: 

公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi