研究課題/領域番号 |
10114219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
今井 むつみ 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (60255601)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ことばの学習 / 言語学習 / 制約 / 助数詞の獲得 / 名詞の獲得 |
研究概要 |
名詞の意味の外延は同じ概念カテゴリーに属するものとする事物カテゴリーバイアスがマータマン達によって提唱されている。これに対してImai,Gentner&Uchida(1994)は知覚次元、事物は形状への注目が事物カテゴリーバイアスへ移行する前段階として語意獲得に重要な役割を果たしていることを示した。一方、助数詞の外延決定においても、事物の形状が重要な要素となっているが、この場合は名詞の場合と異なり、事物の詳しい形状ではなく、より抽象的なレベルでの類似性が問題になる。例えば個、枚、本など頻度の高い非動物助数詞は、3次元的な拡張があるもの、平面的なもの(2次元)、細くて長いもの(1次元)といった、事物の次元性が助数詞クラスのメンバー決定に重要なポイントとなる。そこで本研究では幼児の知覚的形状の異なる側面、つまり名詞では特定の形、助数詞では次元性に注目して分類課題が行えるかどうかを検討した。また、言語カテゴリーの外延決定以外で「同じもの」を決定する際には、子供がどのような基準を用いているかを調べるために、名詞群、助数詞群、コントロール群の3群を比較した。実験の結果、以下のことがわかった。(1)幼児は名詞の意味については3歳児ですでに明確なメタセオリーを持つ。つまり、名詞には物体名詞と物質名詞があり、日本語ではこの二つが統語的には区別されないが、幼児はひとつのラベルが、物体の同一性または物質の同一性というORの基準では般用されないことを知っており、ラベルづけされた「モノ」が物体として認識された場合は形状の同一性のみを基準にラベルを般用するが、物質として認識された場合は形状には注目せず、物質の同一性のみを問題にする。(2)助数詞クラスの意味は名詞に比べて非常に獲得が遅く、3歳児では非動物助数詞の意味が形状の次元性を問題にすることはまったくわかっていない。
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