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表記体系についての概念と読み書き能力の発達過程

研究課題

研究課題/領域番号 10114223
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関立教大学

研究代表者

秋田 喜代美  立教大学, 文学部, 助教授 (00242107)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード読み書き / 助詞 / 表記体系 / 幼児 / 統語知識
研究概要

助詞の読み書きの認識が読み書きに与える影響を検討するため、研究1では、かな「は」「へ」の読みの発達に関わる要因の検討を目的とし、年長児36人、年中児47名を対象に、読字課題、「は」「へ」を含む単語・文の読み課題、助詞と自立語の異動判断抽出課題、自立語の類推課題の4種類の課題を個人面接調査によって実施した。その結果、読みわけの発達の規定因が、文字読みの熟達と付属語としての助詞の意識であることが示された。また研究2では、「は」「へ」の読みと書きの関連性の検討を目的とし、横断研究55名、7ヶ月の間隔をあけて2回の縦断研究を27名に実施した。その結果、書きのパターンとして正しく書き分ける以外に、発音通りに書く、助詞は正しく書くが自立語へ過剰般化する、先行の自立語の綴りの影響を受けてゆらぎがみられる等のパタンがみられた。読み分けルールは習得できても書きにそのルールはすぐに適用されず、音を書き表すパタンにとどまる者が多く、変化は見られにくいことが明らかとなった。この2研究と筆者の一連の研究から、表記の高次ルール学習としての「は」「へ」の読み分けについて、次の5点を明らかにした。第1に、日本語の助詞「は」「へ」の読みでも、英語の綴り時と類似の4段階、(1)清音としての読み方ですべてを読む段階、(2)読み分けルールを自立語にも般化する段階、(3)読み分けにゆらぎがみられる段階、(4)助詞のみに読み分けを限定して読める段階が存在すること、第2に(2)の段階でも文脈や語の熟知度が影響を与えること、第3にこの4段階は「は」「へ」で同時に生じるわけではなく個々のルールとして学習されること、第4に読み分けの発達の規定囚は加齢や一般的な認知発達ではなく、様々な読字の発達と助詞の意識の発達であること、第5に読みと書きでは習得にずれがみられ、知識として読み分けルールを習得しても初期の書きにはそのルールが適用されないことである。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 秋田喜代美・波多野誼余夫: "助詞「は」「へ」の読みの発達過程と付属語の知識" 日本教育心理会総会発表論文集. 第40巻. 107 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 秋田喜代美: "助詞「は」「へ」の読み書きの発達過程と付属語の知識" 日本発達心理学会発表論文集. 第10巻 (印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Kiyomi Akita: "Japanese children's understanding of notational rules." 15th ISSBD meetings. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Kiyomi Akita and Giyoo Hatano: "Learning to read and write in Japanese." In Harris, M.& Hatano, G.(Eds.) Cambridge University Press “A cross-linguistic perspective on learning to read and spell.", 214-234 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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