研究課題/領域番号 |
10115212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松原 孝俊 九州大学, 言語文化部, 教授 (20150378)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 環東シナ海 / 文化交流 / 日本文化の起源 / 文化要素の空間分布 / 日本神話の源流 |
研究概要 |
研究計画に従って、(1)韓国・中国及び環東シナ海世界の地域間交流史に関する研究文献情報・資料目録情報を集積して統合的な把握に努めた。特に漂流・漂着による「ヒトの移動・文化の移動・伝播」の可能性を考慮するがゆえ、にである。環東シナ海域の中国・朝鮮・日本、そして沖縄の4地点を結ぶ漂流・漂着事件の実態把握を試みた。その結果、従来不明であった朝鮮と琉球間の事例の検討を進め、その数と年代を漂流年表に整理した。 (2)「日本文化の起源」を考察するための重要資料として、日本神話中の神話モチーフの空間分布図(系譜型天地創世神話・天地分離型神話・洪水型兄妹人祖神・アンドロメダ型神話・冥府訪問神話・呪的逃走神話・太陽神話など)や、土器や竹篭などの物資文化・儀礼にいたる空間分布図(物の周りを巡る儀礼)を可能な限り多く収集し、それらの文化要素の地域分布をインターネットで公開する準備を進めた。これまでに発表された資料群をデータベースソフトに格納することで、単一の文化要素に関する情報が入手できても、複合的な文化要素に関する情報に接することは出来なかったが、目下、どの民族に、いかなる資料が重複して分布しているかを容易に判別できるように作業中である。 (3)なお考古学的な遺物の空間分布図も研究の進展に有効であると考慮して、これまで発表されてきた「櫛目文土器の分布図」(韓炳三作成)、「2500年前までの東アジアの出土穀物分布図」(甲元真之作成)、「朝鮮半島の遼寧式青銅武器の分布図」(韓炳三作成)などをインターネットで公開するためのハイパーテキスト化に着手した。 なお、1999年3月13日に、松原は、同一な研究関心を持つ谷野典之氏(立教大学助教授)と千野明日香氏(法政大学助教授)の参加を得て、シンポジウムを組織し、口承文芸学会の研究例会の場で自らの研究成果の一部を発表した。
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