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歯の形態からみた南西諸島住民の地域的変異

研究課題

研究課題/領域番号 10115213
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関長崎大学

研究代表者

真鍋 義孝  長崎大学, 歯学部, 助教授 (80131887)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード歯の形態 / 非計測的形質 / 沖縄本島 / 種子島 / 南西諸島 / 現代人 / 地域的変異 / アイヌ・沖縄同系説
研究概要

「日本人の二重構造モデル」の部分的論拠になっている「アイヌ・沖縄同系説」について検証する目的で、南西諸島住民の歯の形態の地域的変異に関する研究を行った。本年度は、日本本土と台湾との間の約800kmにおよぶ弧状の島嶼群である南西諸島の中で、中央に位置する沖縄本島と、北東端の種子島の住民の歯を非計測的形質を明らかにした。
沖縄本島(男106名・女98名)と種子島(男68名・女61名)に居住する若年者の上・下顎石膏模型から得られた歯冠の非計測的形質17項目の男女併合した出現率を、日本の10集団および東アジアの25集団と比較した。
種子島現代人は縄文早前期人・中後晩期人、北海道アイヌや種子島(広田遺跡)弥生時代人のような在来系集団的特徴をほとんど持っていないが、沖縄本島現代人は第5咬頭(UM1)、屈曲隆線(LM1)で在来系集団的特徴を持っていた。第6咬頭(LM1)では、沖縄本島と種子島はともに渡来系と在来系の中間的特徴を示していた。一方、シャベル型(UI1)、ダブルシャベル型(UI1)、舌側面遠心副隆線(UC)、Y型咬合面溝(LM2)、ブロトスタイリッド(LM1)などの多くの形質では、沖縄本島と種子島の現代人は、北部九州の弥生時代、本州・九州の古墳時代、中世、現代のような渡来系集団的特徴を示していた。
17項目すべての特徴を総合的に判断すると、沖縄本島と種子島の現代人は、東北アジア型の中で日本の渡来系集団に含まれており、東南アジア型に含まれている日本の在来系集団とは大きく離れていた。
これらの結果から、過去の南西諸島における「アイヌ・沖縄同系説」については沖縄本島における過去の資料を追加するまで言及できないが、少なくとも沖縄現代人については「同系説」が否定されることが示唆された。
今後の展開としては、南西諸島の南西端近くの島々を含めた地域的変異を明らかにしていくとともに、時代的変異も加えて総合的に判断していきたい。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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