研究課題/領域番号 |
10116103
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 悠 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20046121)
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研究分担者 |
脇村 孝平 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (30230931)
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
応地 利明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60024212)
中村 尚司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50172424)
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
穂坂 光彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (10278319)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 南アジア / 環境 / 人口変動 / 農業 / 牧畜 / 疾病 / 開発 / 森林 / 人口 / 家畜 / 病気 / 都市 |
研究概要 |
本研究では、南アジアの環境変動を歴史的視点から現状を解明することを目標とした。顕著な内容上の成果は、以下の通りである。 1.農業・農法と生態との関係について、インド・デカンのミレット湿潤農耕における畜力一貫農作業体系の分析により、伝統的農業・農法が生態環境と適合的な高度に発展したものであることが実地調査のデータから明らかとなった。 2.1980年を境にインド全体の森林面積の減少傾向にほぼ歯止めがかかった。植林の拡大や耕地の外延的拡大緩和において、農村地域の非農業雇用拡大の役割が大きいことを明確にした。 3.南アジアの人口変動の分析においても、高死亡率・高出生率の北部と低出生率・低死亡率の南部という地域的な差異が存在するが、この差異が、19世紀末にはすでに存在し、両地域の社会構造などと密接に関連していることが明らかとなった。 4.開発と疾病との関係に関しては、開発には、人びとの活動の活発化という面もあり、生活水準向上の効果とアクティヴィティ増大の効果とを区別することによって新たな側面の解明がなされうる。 5.マラリヤに対して、二つの形態の対応の存在が明らかとなった。住民はそこでの居住を避けるなどの文化的適応をするとともに、マラリヤ抵抗遺伝子を所有する住民が存在(生物学的適応)している。また、人々の社会経済的な条件がマラリヤ流行に大きな意味を持つ。 6.18世紀からの長期の現地データと衛星データとの結合に関して、試行が行われ、県レヴェルで数世紀にわたる生態の長期変動が南インドに関して追跡された。 7.19世紀後半以降の家畜統計の分析から、家畜の長期変動には飢饉の影響が大きいこと、「緑の革命」によって家畜の飼育基盤が変動したこと、電化とトラクター普及によって去勢牛数の低下が顕著なことが明らかとなった。
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