研究課題/領域番号 |
10116107
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
広瀬 崇子 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20119431)
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研究分担者 |
近藤 則夫 アジア経済研究所, 地域研究部, 研究員
濱口 恒夫 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70030137)
長崎 暢子 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70012979)
吉田 修 広島大学, 法学部, 教授 (60231693)
井上 恭子 アジア経済研究所, 動向分析部, 主任調査研究員
古田 元夫 東京大学, 大学院・綜合文化研究科, 教授 (50114632)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
25,900千円 (直接経費: 25,900千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 国民国家 / 地方分権 / 地域協力 / 国民統合 / 分離独立 / 国民主権 / コミュナリズム / 南アジア / 国家主権 / 開発 / 正統性 / 選挙 / カシミール紛争 / 核実験 |
研究概要 |
3年間の研究を通して、以下のことが明らかとなり、また今後の課題として残された。 1.南アジアにおける「国民国家」形成は、印パ分離独立によって大きなハンディを背負って出発したが、パキスタンの方がより不利益をこうむり、それがその後の長期にわたる軍事政権をもたらす一要因となった。 2.インドの国家形成(state-building)は植民地時代の制度の多くを引き継ぎ中央集権的な色彩の強いものとして出発したが、時間の経過とともに地方勢力などの要求に譲歩する形で着実に地方分権化が進んでいる。90年代後半以降着実に発展している連立政権もその姿を反映している。99年総選挙の分析はそのことを証明した。 3.一方ネルー型の近代市民国家建設の試みは大衆を疎外させることになり、国民統合(nation-building)にはさまざまな問題に直面した。ヒンドゥー・ナショナリズムはその一つの反動であるが、90年代末にはそれすらも克服して全インド規模の強力なナショナリズムが台頭しつつある。それはインド人民党政府のめざす方向でもあるが、不自然さが目立つ。パキスタンにおける宗教勢力の台頭は基本的には建国理念の矛盾と政治の貧困が大きな要因である。 4.メディアやITの発達それに経済自由化政策の推進は、国境を越えるモノや情報の流れを促進し、それが「国民国家」にも少なからぬ影響を及ぼしている。しかしこれは必ずしもナショナリズムを押さえるグローバリズムの方向に一直線に進むわけではない。 5.印パ関係を見ると、「国民国家」建設の矛盾が投影されている。核実験もその一つである。90年代後半は両国の敵対関係が前面に出た時期であった。この情勢を受けて研究の方も当初めざしていた国家間レベルにおける「国民国家」の相対化の側面は十分にフォローできなかった。反省点であると同時に今後の課題である。
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