研究課題/領域番号 |
10122207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松木 賢司 富山大学, 工学部, 教授 (10019193)
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研究分担者 |
會田 哲夫 富山大学, 工学部, 助手 (20283062)
高辻 則夫 富山大学, 工学部, 助教授 (20143844)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 粉末アルミニウム合金 / 高速超塑性 / 低温度化 / 微細結晶粒径 / 粒界すべり / 液相 |
研究概要 |
最近、超塑性の高速度化において、複合材等のように硬質粒子を含む材料では、その粒子界面での粒界すべりで生じる応力集中緩和のために局分溶解が寄与する事が指摘されている。ただ、化合物粒子分散強化合金あるいは非平衡相を含む合金では、液相を発生するような高温変形では成形後のミクロ組織の粗大化や相変態が問題になるため、できるだけ低温度での高速超塑性発現が要求される。本研究では、高強度2024AI-3Fe-5Ni PM合金の高速超塑性特性に及ぼすミクロ組織微細化の影響が、ECAP固化成形材と温間圧延材の2種類で検討された。 1、 ECAP固化成形材:(1)繰り返し数3回、回転角90℃で573KでのECAPの結果、微細等軸なミクロ組織が得られた.(2)その固化材の圧縮試験の結果、773Kでmが0.3以上となり高速超塑性特性を示す事が分かった。 2、 温間圧延材:(1)空気アトマイズ粉末を623Kでの熱間押出し、523Kで温間圧延することによって作製された。この温間圧延板材は微細金属間化合物粒子で安定化された、平均粒径が約500nmの超微細な結晶粒組織を示した。(2)高速超塑性特性を、プログラム温度制御器(新規購入)付き電気炉で、673-793Kの温度範囲で検討した結果、化合物粒子径とマトリックスの結晶粒径が微細になるほど、10^<-1>-10s^<-1>の高ひずみ速度領域、713K-773Kの広い温度範囲で超塑性伸びとm値は増大した。すなわち、3s^<-1>の高ひずみ速度、713K以上の温度で300%以上(m≧0.3)の破断伸びが得られた。(3)Needleman-Riceパラメータに基づく解析の結果、本合金における化合物粒子は充分に微細であるため、粒界すべりの際、化合物粒子/マトリックス界面で生じる応力集中は拡散流動によって緩和され、液相の寄与は必要無かったと考えられた。
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