研究課題/領域番号 |
10122209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 敏 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50127122)
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研究分担者 |
宮本 博之 同志社大学, 工学部, 助手 (10298698)
加藤 博之 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80224533)
御牧 拓郎 同志社大学, 工学部, 教授 (20066244)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 二相ステンレス鋼 / 双結晶 / 超塑性 / 異相界面 / クリープ / 粒界すべり / 相界面すべり / 高温変形 |
研究概要 |
二相ステンレス鋼は微細粒超塑性を示す代表的な金属材料であり、一般的に微細粒超塑性においては粒界すべりおよび相界面すべりが支配的な機構であることが知られている。著者らはγ(FCC)/α(BCC)ステンレス鋼異相双結晶等を用いたクリープ試験からγ/α相界面は本質的に単相粒界に比べてすべり易いことを明らかにした[1,2]。一方、単相の粒界すべりは方位関係の影響を受けることが純Zn、Al等について報告されていることから相界面すべりについてもγ相/α相の方位関係の影響を受けることが予想される。そこで本研究では異相間の方位関係分布の定性的指標となる各相の集合組織が二相ステンレス鋼板の超塑性変形挙動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。本年度は第一段階として他に報告されているα(FCC)/β(BCC)Brass等の双結晶クリープの実験データも加えてFCC/BCC相界面すべり機構の理論的検討を行い[3]、さらに相界面と単相粒界における本質的なすべり易さの違いを含めた二相(FCC/BCC)鋼の変形機構を提案し[4]、これまで報告されてきた実験データにより検証をおこなった。 双結晶を用いたクリープ試験から、変形抵抗が異なるFCC相およびBCC相から構成される相界面と単相粒界におけるすべり抵抗の顕著な差異が明らかとなった。この知見より超塑性変形における相界面の役割として、相界面すべりにより超塑性ひずみの大部分を請け負う変形モデルを提案した。これは第二相が変形中に粒成長を抑制し微細組織を安定化するという従来の役割とは異なる視点から変形機構を示唆するものである。
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