研究課題/領域番号 |
10122210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
斎藤 好弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029101)
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研究分担者 |
辻 伸泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30263213)
宇都宮 裕 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80252584)
左海 哲夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80029298)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 繰り返し重ね接合圧延(ARB) / 強ひずみ加工 / アルミニウム合金 / ナノ結晶粒 / 低温超塑性 / 高強度化 / 回復・再結晶 / 粒界すべり |
研究概要 |
圧延を利用してバルク材に強ひずみを与えることのできる新たなプロセス、繰り返し重ね接合圧延(Accumulative Roll-Bonding;ARB)を考案した。ARBを473KでAl-Mg合金(5083)に適用することにより、平均結晶粒径280nmの超微細結晶粒組織を持つバルク板材を得ることに成功した。この超微細粒材に対して、高温引張試験を行い、超塑性挙動を調べた。573K以上の温度では、結晶粒が10μmまで粗大化し、通常の超塑性が現れた。一方、融点の約半分という低い温度である473Kにおいても、ひずみ速度約10^<-3>s^<-1>で200%以上の大きな伸びと、0.37に達する大きなひずみ速度感受性指数(m値)が観測された。粒径10μm材は473Kにおいては大きな伸びを示さなかったことから、ARB材の473Kにおける大きな伸びは、結晶粒超微細化による低温超塑性の発現であることが明らかとなった。 非超塑性材として知られる工業用純アルミニウム(1100)、および微細析出物を有する7N01合金に対しても、ARBによる結晶粒超微細化を施し、低温超塑性の発現の有無を調べた。1100合金の場合、473Kにおける引張試験初期に大きなm値を示す場合があったが、この温度でも結晶粒が速やかに粒径数μmまで粗大化する結果、大きな伸びは得られなかった。一方、7N01合金の場合は、473Kで低温超塑性を示すのみでなく、微細析出物によって超微細結晶粒が安定となり、573Kにおいても5083合金と比べてより早いひずみ速度で超塑性が発現した。
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