研究課題/領域番号 |
10122214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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研究分担者 |
大久保 忠勝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00242462)
落合 鐘一 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (70169324)
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (40164214)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 過冷却液体 / 超塑性 / バルク金属ガラス / エネルギーフィルター電子顕微鏡 / リーバースモンテカルロ法 |
研究概要 |
本研究では、安定な過冷却液体温度域を持ち、その温度域で超塑性現象が見い出されているLa_<55>Al_<25>Ni_<20>アモルファス合金について過冷却液体温度域における超塑性現象と微細構造の変化について実験を行い、以下の結果が得られた。 過冷却液体域での超塑性変形挙動、および組織変化を調べるため、シリコンオイルバス中でリボン試料(厚さ60μm、幅10mm)の高温引張試験を行い、引張試験前後について試料の高分解能電子顕微鏡観察を行った。ガラス遷移温度Tgと結晶化温度Txのほぼ中間において最大1115%の破断伸びが得らた。試験終了試料の電子顕微鏡観察、ナノビーム電子回折から、アモルファス母相中にβ-La(fcc)微結晶の析出が確認され、超塑性変形は過冷却液体状態での粘性流動に起因すると思われるが、経時的な結晶化と動的な結晶化は超塑性変形を阻害することが明らかになった。 また、エネルギーフィルター電子顕微鏡内で室温から結晶化温度まで加熱し、アモルファスから過冷却液体、結晶に至る構造について、イメージングプレートによる非弾性散乱強度を除外した電子回折精密強度測定を行った。その結果、過冷却温度域において2体分布関数の第一ピークの分裂が明瞭に確認された。さらに、空間的な局所構造について調べるため、この2体分布関数を再現するモデルをリバースモンテカルロ計算により作成した。得られた構造モデルの解析から、過冷却液体の粘性流動は、構造の主体となるLa原子間距離、La配位数の増加と密接に関連しており、ボロノイ多面体の解析より、La原子を中心としたLaves phase構造単位に類似した20面体を含む多配位クラスターと、Al、Niを中心とした3角プリズムクラスターなどのアモルファス合金で典型的なクラスターが存在し、過冷却液体中で段階的に増減することが判明した。
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