研究概要 |
Ni導超合金は,タービンブレードなどに使用される耐熱合金であるが、粒界すべりや粒界割れに起因するクリープ強度の低下を避けるため、単結晶超合金が開発されている.本研究では、通常の方法では塑性加工が不可能なNi基単結晶超合金を内部応力超塑性の手法を用いて塑性加工することを試みるた。内部応力超塑性とは,高温,低応力下で熱サイクルを付加することにより誘起される巨大延性を指し、マトリックスが単結晶の場合でも理論的には内部応力超塑性が誘起される. 実験としてMar-M247のDS材とSC材を用いて熱サイクルクリープ試験,組織観察を行い、以下の結論を得た。 (1) 熱サイクル圧縮クリープ試験によってDS材は,クラックやキャビティが生成することなく真ひずみ0.73の圧縮ひずみを示した. (2) 同様にSC材の熱サイクル引張りクリープ試験を行った結果,約100%の伸びを示した. (3) 内部応力超塑性変形した後に再熱処理を施すことにより,変形前と等しいγ-γ^1整合組織を得ることができた.変形後の試験片は単結晶でありかつ結晶方位も変化しなかったことが推察される.
|