研究課題/領域番号 |
10123209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
半那 純一 東京工業大学, 工学部, 教授 (00114885)
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研究分担者 |
舟橋 正浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (90262287)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 光伝導性ネマティック液晶 / 光伝導性スメクティック液晶 / 分子性傾斜配向 / 光伝導性 |
研究概要 |
光伝導性ネマティック液晶における電気伝導の機構を明らかにするため、不純物の混入の影響が少ないと考えられる2-Phenylnaphthalnene誘導体(5-PNP-O1)を用いて、Time-of-flight法により移動度の温度依存性を調べた,この結果、ネマティック液晶の示す移動度は、等方相のそれよりも小さく、また、等方相と同様の活性化型(活性化エネルギー:0.5eV程度)を示すことから、この相においてはイオン伝導により支配されていることが結論された。このことから、傾斜配向ネマティック液晶において配尚の違いに基づく光電特性の違いが観測されない原因が、この相におけるイオン伝導に基づくものであることが推察された。この結果をもとに、傾斜配向下での電子伝導を実現する方法として、重合可能な光伝導性ネマティック液晶用いて傾斜配向をじつげんし、これを重合することによって配向を固定化すると同時に系の粘性を増大させ、伝導機構をイオン伝導から電子伝導へ移行させることが有効であると考え、この目的に適う液晶材料の合成とこれを用いた傾斜配尚の実現、液晶材料の重合について検討を行った。メソゲンにDiphenylacetylene部位を有するアクリル酸エステルでは、形成した配向を熱重合によって固定化することが出き、室温から200℃付近までの広い温度領域において液晶相を実現させることができた。しかしながら、紫外光照射による光電流は極めて小さく、傾斜配向に基づく光電特性の評価を行うには至らなかった。また、光伝導性が期待できる2-Phennylnaphthalene部位をメソゲンとするアクリル酸エステルでは、ネマティック相の出現は見られず、5-PNP-O1との混合液晶系においても、目的とする傾斜配向可能なネマティック相を実現するには至らなかった。これらの結果から、傾斜配尚の実現と電子伝導の実現には系の粘性が密接にかかわっており、同時にこの二つの要請を適えることは困難であると考えらる。本研究において実現を目指した分子性傾斜配向系における光電特性の観測には、高い光伝導性を有する重合可能なネマティック液晶の開発と傾斜配向形成後の重合による高粘性化の実現が不可欠であると結論される。
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