研究課題/領域番号 |
10123217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町田 憲一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00157223)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 光導波路 / 無機-有機複合体 / 希土類錯体 / 透明蛍光体 / 波長変換 / 太陽電池 / 太陽光集光体 |
研究概要 |
本研究では、シラノール[Si(OH)_4]とオルガノシラノール[R_2Si(OH)_2]との脱水縮合(ゾル・ゲル法)により作製したORMOSIL(Organically Modified Silicate)複合体に希土類錯体を導入した薄膜を作製し、その無機成分と有機成分との組成の傾斜化を行い、屈折率と成膜性を原子・分子レベルで制御し、機能性光学薄膜としての可能性を明らかにすることを目的とした。具体的には、石英ガラス基板上にユウロピウムフェナントロリン錯体ORMOSIL複合体を〜0.3μm塗布することで、基板と薄膜との屈折率の差を利用した導波路を作製し、これらの単結晶シリコン太陽電池用集光体としての可能性を検討した。得られた研究成果は以下の通りである。 1. 希土類錯体ORMOSIL複合体薄膜は、テトラエトキシシラン(TEOS)に対して、所定量のジメトキシジメチルシラン(DEDMS)あるいはジエトキシジフェニルシラン(DEDPS)、イソプロピルアルコール、水、ジアセトンアルコール(DDA)、および触媒として若干量の塩酸を加えることで合成でき、シリケート成分とオルガノシリケート成分との組成を広範囲に変化させることで、希土類錯体に基づく蛍光強度とマトリックスそれ自身に基づく屈折率が系統的に変化することが明らかとなった。 2. 上記の希土類錯体ORMOSIL薄膜(屈折率n=1.4)を石英ガラス板(屈折率n=1.45)上に塗布することで、臨界角15゚前後の導波路を形成できることが明らかとなった。 3. 上記の導波路のうち、ユウロピウムフェナントロリン錯体を分散したORMOSIL複合体薄膜を石英ガラス基板上に塗布したものは、この蛍光体薄膜が太陽光中の紫外部の光を単結晶シリコン太陽電池の光-電変換に有効な可視光に効率良く変換でき、これにより太陽電池の短絡電流がおよそ10%増大すことがわかった。
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