研究課題/領域番号 |
10125208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 教授 (10012600)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リチウムエノラート / 不斉脱プロトン化 / 不斉アルキル化 / 不斉プロトン化 / 四座配位子キラルアミン / 配位子交換 / 触媒的不斉アルキル化 / 触媒的不斉プロトン化 |
研究概要 |
リチウムエノラートの合成と反応心は、有機合成化学の基本反応である。先に我々は、キラルな多座配位子型リチウムアミドおよび多座配位子型アミンを設計、合成し、これらを用いた新しいエナンチオ選択的不斉脱プロトン化、不斉アルキル化、不斉プロトン化反応を見出した。 本研究はこの結果を踏まえ、不斉アルキル化反応によるキラル四級炭素の不斉合成を検討し、新たな四座配位子型キラルアミンを設計、合成して用いることによって、効率よく不斉合成しうることを見出した。また、ラクトン類およびラクタム類のエナンチオ選択的不斉アルキル化反応を検討し、これらも四座配位子型キラルアミンの存在下にエナンチオ選択的に進行することを見出した。さらに、不斉アシル化反応によるキラル四級炭素の不斉合成の検討も行い、ソフトな脱離基を持つアシル化剤を用いることによって選択的にC-アシル化反応が起こすことができ、不斉も誘起されることを明らかにした。 アルキル化反応による不斉四級炭素の不斉合成反応については、不斉触媒化の検討も行い、化学量論量以下の四座配位子型キラルアミンと化学量論量以上の二座配位子型アキラルアミンを組み合わせて反応を行えば、反応系中でリチウムに対する二種の配位子の速やかな交換反応が起こり、反応を不斉触媒化しうることを見出した。この手法は不斉プロトン化反応にも適用することができ、0.05当量の四座配位子型キラルアミンと2当量の二座配位子型アキラルアミンの組み合わせで反応を行うとき、化学量論量の四座配位子型キラルアミンを用いた場合と遜色のない結果が得られた。この触媒的不斉プロトン化反応の実現は、ラセミのケトンを光学活性ケトンに効率よく変換する手法の開拓を意味しており、広い応用が期待できると考える。
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