研究課題/領域番号 |
10125222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷 一英 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60029444)
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研究分担者 |
山縣 恒明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70166594)
片岡 靖隆 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90221879)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | イリジウム / BINAP / O-H活性化 / ペンジルアミン / カルボン酸 / プロトン性化合物 / オルトメタル化 / カチオン性錯体 |
研究概要 |
1. 我々は、イリジウム(I)-BINAP(2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1.1'-ピナフチル)-1級または2級アミンからなる触媒系がメタノール中イミンの不斉水素化に効果的であることを見いだしている。この触媒反応の反応機構解明のため、触媒系の前駆体である、[IrCl(binap)]_2と種々のプロトン性化合物との反応を検討した。その結果、メタノール、水、カルボン酸、チオールのO-H結合あるいはS-H結合が活性化され、イリジウムに酸化敵付加したカチオン性のヒドリド(メトキソ)、ヒドリド(ヒドロキソ)、ヒドリド(カルボキシラート)、およびヒドリド(チオラート)二核イリジウム(I)錯体が高取率で得られた。 2. [IrCl(binap)]_2と触媒系の添加剤である1級ベンジルアミンおよび、その誘導体との反応を検討した。[IrCl(binap)]_2とベンジルアミン誘導体を、トルエン溶媒中70℃で3時間反応させると、オルトメタル化したヒドリドアリール錯体のジアステレオマー混合物が、白色粉末として定量的に得られた。その構造を^1Hおよび^<31>P{^1H}NMRスペクトル、2次元COSYおよびNOESYを用いて明らかにした。 3. ヒドリド(カルボキシラート)イリジウム(I)錯体を用いると、6員環環状イミンの不斉水素化において最高93%代の高い光学収率で対応するアミンが得られた.この錯体を用いると従来必要であった活性な触媒系創出のための前処理が必要でなくなる。また、アミンを添加しなくても高収率、高選択的に水素化反応が進行するので、生成物であるアミンを簡便に単離することができた。また、この触媒系は基質に対する特異性が高く、目的の炭素ー窒素二重結合のみを選択的に還元することができる.
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