研究課題/領域番号 |
10125234
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植村 元一 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (90047241)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 軸不斉ビアリール / クロスカップリング / 面不斉 / アレーンクロム錯体 / 不斉ベンズアミド / コルペンスアミン |
研究概要 |
アトロプ異性ビアリール化合物は不斉反応での配位子と重要な化合物であり、更に、顕著な生物活性を示す天然有機化合物にも数多く知られている。アトロプ異性ビアリール化合物を光学活性体として効率よく合成する反応の開発が重要である。本研究では、面不斉をもつ(アレーン)クロム錯体を用いて、軸不斉を有するコルペンスアミンAの立体選択的合成と光学活性アトロプ異性ベンズアミドの合成を行った。 コルペンスアミンAは抗マラリア活性を示し、ナフタレン環とテトラヒロドイソキノリン環との間で軸不斉が存在する。本化合物を立体選択的に合成するにあたり、既に我々が開発した光学活性アレーンクロム錯体とナフチルホウ酸とのパラジウム触媒によるクロスカップリングで、望むべき軸不斉をもつビアリール体を光学活性体として得られる反応を利用した。すなわち、3、5-ジメトキシスチレンを不斉ジヒドロキシル化し、クロム錯体化の後、ジアステレオ選択的オルトリチオ化を行い望むべき光学活性(アリールプロミド)クロム錯体を得た。ついで、ナフチルホウ酸とのクロスカップリングを行なってアトロプ異性骨格を構築し、最後に側鎖部を延長し環化して目的のコルペンスアミンAの全合成を達成した。 両オルト位に置換基をもつベンズアミドには、芳香環炭素とアミドカルボニル炭素と結合での回転障害にもとずくアトロプ異性体が存在する。芳香環面不斉のオルトメチルベンズアミドクロム錯体をオルトリチオ化し、ついで種々の親電子試薬を反応させ、最後にクロムを除去して、軸不斉ベンズアミドの両光学対掌体をそれぞれ純粋な光学純度で合成することができた。
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