研究概要 |
1. MycinamicinIVのC11〜O16フラグメントの合成:メチル2,3-アンヒドロ-4,6-O-べンジリデン-α-D-マンノピラノシドにリチウムトリメチル(トリメチルシリルエチニル)アルミナートを反応させて対応する3-デオキシ-3-C-(トリメチルシリルエチニル)アルトロピラノシド(1)を位置選択的に得た。分岐糖1の3位側鎖からのTMS基の除去、エチニル基の半還元、および生成したビニル基の酸化的開裂と還元ににより、メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3-C-(ヒドロキシメチル)-α-D-アルトロピラノシド(2)を合成した。化合物2の2位水酸基および側鎖水酸基にそれぞれアセチル基とtert-ブチルジフェニルシリル基を導入したあとNBSと反応させ、メチル2-O-アセチル-6-ブロモ-4-O-ベンゾイル-3,6-ジデオキシ-3-O-シリルオキシメチル-α-D-アルトロピラノシド(3)を合成した。ブロモ糖3の臭素原子をヨウ素原子に交換したあと亜鉛を作用させて(2S,3R,4R)-2-アセトキシ-4-ベンゾイルオキシ-3-(tert-ブチルジフェニルシロキシ)-5-ヘキセナール(4)を得た。化合物4のオレフィン部に水素添加してからPh_3P=CHOMeを反応させ、目的としたC11〜O16フラグメントに相当する(4R,5R)-5-ベンゾイルオキシ-4-(tert-ブチルジフェニルシロキシ)-2-へプテナールを合成した。 2. 1級、2級ジオールの2級カルビノール中心への位置選択的1-アルキニル基の導入:1-フェニル-1,2-エタンジオールとチオニルクロリドから1段階で得られる2-オキソ-4-フェニル-1,3,2-ジオキサチオラン(5)と、各種の有機アルミニウム化合物との反応を検討した。その結果、1-アルキニル(ジメチル)アルミニウムを、CH_2Cl_2を溶媒として0℃で0.5〜1時間反応させれば、5の2級炭素原子上に1-アルキニル基(R-C≡C-)が選択的に導入され、対応するアセチレン誘導体が得られることを明らかにした(Rと収率:R=n-Bu,61%;R=t-Bu,64%;R=Ph,84%;R=Me_3Si,78%)。
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